加齢による筋量、筋力の低下は比率的に速筋線維の減少によるものが大きく、そのメカニズムとして、年齢と共に速筋線維の筋サテライト細胞が減る現象が関与していると目されています。

傷付いた筋肉の補修や筋細胞自体の巨大化に必要な細胞核は幹細胞である筋サテライト細胞が担っている為、筋サテライト細胞の活性如何は回復速度や回復幅、筋肥大に大きな影響を与えることは明白です。

考え抜かれ理にかなったメニュー、手応えのある良いトレーニングを自分自身に課せたとしても、身体の反応(成長度合い)が感じにくくなっていく現象はテストステロンを始めとした各種アナボリックホルモンレベルの低下によるものだけでなく、筋サテライト細胞活性の低下もその要因として受け入れる必要があります。

加齢によって体内レベルが低下するクレアチンの補給はエルゴジェニックエイドとして、単純に競技時パフォーマンスやトレーニングの質を高める為、中年期以降も表層的に重要な役割を果たしますが、実のところ、その醍醐味は筋サテライト細胞を活性化させる効果があるという特徴につきます。

刺激に対する応答性の高い肉体を維持するために、中年期以降こそクレアチンを採用したいというのが前回の内容でしたが、今回は何故とりわけプロスペッククレアチンがその目的に適するのかという解説です。



〜45歳以降の基本サプリ-1〜
「プロスペッククレアチン-後編」

pic_product_detail_new19ベタインはてん菜などから抽出される天然成分(アミノ酸と言って差し支えない)で、フィットネス業界においては、パワー系栄養素という認知が高い。

実際、ベタインの摂取によって、筋力や筋量の増加が確認された実験も存在する。また、筋持久力を高める効果も確認されているため、持久系競技の人も見逃せない魅力を持つ。

ベタインは体内でのクレアチン生成を助ける効果や穏やかにアナボリックホルモン生成を助けつつ、コルチゾールレベルを下げる為、内因性クレアチンや各種アナボリックホルモンレベルが低下しだす年齢の人が積極的に利用したい理由になるが、注目すべきベタインの効果はそれだけではない。



ベタインは体内における硫黄(硫化物)のスムーズな代謝を助ける。

この特殊な作用によって、有毒となるホモシステインの代謝、抗酸化物質グルタチオン生成促進、SAMeレベルの上昇、メチル基供給によるエピジェネティクスへの関与・・・などなどの効果を持つ。

SAMeレベルの上昇は、関節保護や更年期障害による鬱予防に役立つとされる。

近年、ベタインの不足は脳内における硫化水素の蓄積と関連があり、統合失調症や脳機能低下の一因と目されている。

また、ベタインもクレアチンも、地味とは言えない抗炎症作用を持つ。

これらの点から考えると、メチオニンを基とする代謝の円滑な回転作用は、脳機能や抗酸化レベル、関節コンディションを保つのに役立つ。

クレアチンとベタインを組み合わせて摂取することで、運動パフォーマンスと除脂肪体重の改善が確認された実験も多々あるため、一定の年齢を超えた人がパフォーマンスや体組成改善と言った目的に加え、脳を含めた全身の解毒や抗酸化目的も兼ねて、プロスペッククレアチンを基本サプリとして選ぶのがベストと言って良い。

もちろん、トレーニングサイクルで高強度期間中の人や予算がある人は、「クレアチン×ベタイン」に高度なブレンドが施されたクレアボルブラックを採用するのが望ましい。

おまけ編へ続く



【関連】
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