2021年6月のオマケ読み物である居残り補習授業オフライン#126では「今からでも真夏に間に合う減量法2021版」と題して、効率的でラピッドな減量法について考察している。

・・・が、紙面の関係上、クローズアップしきれなかった項目がある。

それが成長ホルモンブーストであり、「空腹を恐れない!」である。



可能な限り筋量を残して体脂肪を減らすには、1日6食法のようなできるだけ細かく食事を摂る手法が勧められている。

納期に余裕がある場合は依然として、その古典たるオーソドックススタイルが有効だが、新型コロナ禍におけるトレーニング環境の変化によって中途半端な見た目になってしまい、短期間で改善したい場合は空腹を恐れず、逆に積極的に空腹状態を作り出して利用すべきであるというのが今回の趣旨なのだ。

空腹、低血糖状態が重要なのかに関する理解のために、今から長い例えに入りたい。



サプリメントやテクニックの効果に関して、「それさえ飲めばOK!」、「それさえ行えばOK!」的な非常に優秀な「効果安定型」も確かに多く存在するが、同時に条件を満たしていないためにまるで効果や体感がでないタイプのものも多く存在する。

例えば、

BCAA:効果安定型
摂取時に肝臓での分解が起こらず、筋肉で直接代謝される傾向があるため、5〜10gの一定量を摂取することで、誰でも血中BCAA濃度を高めることが容易で効果を得やすい。また、mTOR経路活性作用が極めて高いため、誰でも簡単にアナボリズム(筋合成活性)を高めることができる。

クレアチン:環境依存型
クレアチンの吸収はインシュリンに強く依存するため、運動時におけるパフォーマンスアップや筋力アップ、筋量アップに関しては筋肉のインシュリン感受性や摂取時におけるインシュリン分泌並びにインシュリン模倣物質の有無の影響を大きく受ける。このため、GCS750やマッハ6などと一緒に摂取するテクニックは極めて優れている。

ファイナルブロック:用量依存型
ファイナルブロックは摂取栄養素の吸収を阻害する特殊な栄養素を規格化したブランド成分を多数集めた非常に優秀なカロリーブロック複合体であるが、それが最大の性能を発揮するにはエビデンスで認められた一定量を摂取する必要があるため、摂取量をケチると効果が半減する可能性がある。ファイナルブロックの効果を最大限に享受するには、然るべき用量をしっかりと摂取する必要がある。サプマスにおいて、3個セットや4個セットを販売しているのはこの理由による。





・・・と、他にも色々と語り尽くしたいが、いずれ別枠で特集してみたい。



さて、成長ホルモンブーストテクニックやブーストサプリは、環境依存型に属する。

そして、それはクレアチンほど複雑ではなく極めて単純で、血糖に依存するのだ。血中にグルコースが多く存在し血糖値が高ければ、成長ホルモンブーストはかからない。また、折角、成長ホルモン分泌が起こっても、糖質の摂取などにより、血中にグルコースが多く現れれば、途端に成長ホルモン分泌にストップがかかる。

成長ホルモンブーストの効果があるか否かは、その受容体活性の影響を受けるが、それ以前の問題として、環境によって成長ホルモン分泌が阻害される影響の方が遥かに大きいのだ。

成長ホルモンブーストによる体脂肪燃焼促進には遺伝的素養の影響を受けるが、それ以上に環境の影響が大きい為、それに挑戦するにはまず、成長ホルモン分泌にストップをかける血糖値の上昇を起こさないようにしないといけない。

そのためには、空腹を恐れず、空腹を利用して低血糖状態を最大限に利用する必要がある。

後編へ続く



【関連】
居残り補習授業オフライン #126の補講-前編
居残り補習授業オフライン #126の補講-中編
居残り補習授業オフライン #126の補講-後編

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