(2021年4月13日に書かれた話です)
決意!意志の力!高い意欲!強い意識性!・・・が重要であるように世間では認知されていますが、例えそれが正しかったとしても、これらを生み出す大きな要因の一つがその個体を取り巻く環境です。
より細かなディテールで観測すれば、意志や意欲は脳内の神経伝達物質と受容体感受性のバランスの影響を大きく受けるため、それらが円滑化並びに最適化されるための神経伝達物質の前駆物質やシナプス保護作用を持った栄養素選択もまた「環境」のひとつと捉えることができます。
また、意識は脳が生み出すものと思いがちですが、腸にもニューロンに似た神経細胞が張り巡らさせており、腸内細菌が大量の神経伝達物質(※)を作り出している点や他の臓器の記憶、RNAの記憶などから考えると、意識は身体全体状況の総和と捉えることができます。
※ 血液脳関門を突破しなくても、神経伝達物質やホルモンを受容した臓器などの細胞からのフィードバックが脳へ送られる
決意!意志の力!高い意欲!強い意識性!・・・が重要であるように世間では認知されていますが、例えそれが正しかったとしても、これらを生み出す大きな要因の一つがその個体を取り巻く環境です。
より細かなディテールで観測すれば、意志や意欲は脳内の神経伝達物質と受容体感受性のバランスの影響を大きく受けるため、それらが円滑化並びに最適化されるための神経伝達物質の前駆物質やシナプス保護作用を持った栄養素選択もまた「環境」のひとつと捉えることができます。
また、意識は脳が生み出すものと思いがちですが、腸にもニューロンに似た神経細胞が張り巡らさせており、腸内細菌が大量の神経伝達物質(※)を作り出している点や他の臓器の記憶、RNAの記憶などから考えると、意識は身体全体状況の総和と捉えることができます。
※ 血液脳関門を突破しなくても、神経伝達物質やホルモンを受容した臓器などの細胞からのフィードバックが脳へ送られる
上は我々が自己と認識する「意識」に主導権があるという前提における考えになりますが、現在では「意識や思考はただの結果でしかない」と言う説が台頭してきました。
我々人間もまた昆虫や弐瓶勉氏などのSFに出てくる自動機械のように、反応とプログラムを繰り返すだけの自動化された有機生命体であり、意識や思考とは個体が自動選択した結果を客観視する(客観ではなく自己欺瞞かも知れない)モニターに過ぎない可能性が出てきたのです。
だとすれば、ますます、各種ホルモンや各種神経伝達物質のレベルとバランス、各受容体の反応こそが重要であることが明白化されます。というよりも、現在のある個体、個人の言動は、遺伝的体質を含めた栄養と運動環境が生み出す神経伝達物質バランスを示している(表現型)ことになります。
意識に主体がある説にしても、意識は幻想説にしても、精神病の人が「頑張る!」というアプローチを選択しても治らないという現象の十分な説明になるのと同様に、神経伝達物質バランスと受容体を改善する実践栄養学的アプローチによって、たとえ意識や自己が幻想であったとしても、あたかも「強い意志」、「高い意欲」、「確固たる自己」を持ったかの如き挙動(行動)を示すことが可能です。
・・・というイントロの今月のおまけ読み物「居残り授業オフライン#124」がようやく完成しました。
自分で言うのも何ですが、15年ほど続いているこのサプリ塾の良い点は、その主張の根幹が開設当初から全くブレていないことです。
・消化吸収能力と腸内環境が大切
・筋分解抑制と筋合成促進が大切
・人間の遺伝子は狩猟採集時代から変化していない
(「農耕民族だから、◯◯」はウソ)
・ホルモン調節が全て
今日ではそれら全てが完全に正しいことが解明されています。
ただ、一点、訂正しないといけないこと、つまり、考えが少し変わったことがあります。
それが常々力説していた「意志の力」に関するものです。
意志の力と環境が大事(※)とのたまってきたのですが、「人が思考して決定したと意識、認識する遥か前に、無意識下において決定が下されている」という自由意志の不確かさを最近では思考材料の一端として信じるようになったのです。
※ 意志の力>>>>>環境ではなく、意志の力≧環境
無論、意志と環境、そして熱力学第二法則に逆らった「意識の熱量」が大切であるという持論は変わりませんが、それを無意識かつ自動的に生み出す要因の存在を認めざるに得ない体験は誰にでもあり、一旦、認めてしまえば、その要因に影響しうるファクターを調節することで、意志や意欲の強さをコントロールすることが可能になります。
例えば、以前紹介した
フィットネスの全てにつながる基礎知識 #2
などが良い例です。
グータラな私も、テクニカルに立ち回ることさえできれば、例え追い抜けなくとも、ヴァイタリティに溢れたライバルたちの背中が見えそうな気すらしてきます。
【後天的バイタリティ】
「VIVOの世界」の一端
【関連】
意識や意志はどこから来るのか? 前編
意識や意志はどこから来るのか? 後編
強烈な意志は、不可避の運命の変更や遅延を可能にする。
私もターミネーターで考えた-前編
私もターミネーターで考えた-後編
では、その意志は何を礎にするのか?
強烈な意志を産みだす要素の一つが信念である。
意志の力が脳を変える-前編
意志の力が脳を変える-後編
思考&意志決定を生み出す信念は、自分自身の判断基準や独自の倫理を持つ事で備わるのではないか。
湯治生活 #7〜プロローグ〜
人間そのものが1個の受容器と考える事は自然。そして、物理的には、人間からは多くの波が出ている。物理的には、人間は光を発している。人間が受信した情報は、一体、何処へ送られるのだろうか?
五体、五感、六感も1個のレセプターに過ぎない(かも?)-前編
五体、五感、六感も1個のレセプターに過ぎない(かも?)-後編
レセプターの感度を高めるには?
感動の解像度、感受性の感度を高めろ!
知識や造詣を高める事で、感動の解像度を高める
想像する事で感受性を高め、感動を倍増させる
【オマケ】
The 雨男「エンカウント率の謎」
我々人間もまた昆虫や弐瓶勉氏などのSFに出てくる自動機械のように、反応とプログラムを繰り返すだけの自動化された有機生命体であり、意識や思考とは個体が自動選択した結果を客観視する(客観ではなく自己欺瞞かも知れない)モニターに過ぎない可能性が出てきたのです。
だとすれば、ますます、各種ホルモンや各種神経伝達物質のレベルとバランス、各受容体の反応こそが重要であることが明白化されます。というよりも、現在のある個体、個人の言動は、遺伝的体質を含めた栄養と運動環境が生み出す神経伝達物質バランスを示している(表現型)ことになります。
意識に主体がある説にしても、意識は幻想説にしても、精神病の人が「頑張る!」というアプローチを選択しても治らないという現象の十分な説明になるのと同様に、神経伝達物質バランスと受容体を改善する実践栄養学的アプローチによって、たとえ意識や自己が幻想であったとしても、あたかも「強い意志」、「高い意欲」、「確固たる自己」を持ったかの如き挙動(行動)を示すことが可能です。
・・・というイントロの今月のおまけ読み物「居残り授業オフライン#124」がようやく完成しました。
自分で言うのも何ですが、15年ほど続いているこのサプリ塾の良い点は、その主張の根幹が開設当初から全くブレていないことです。
・消化吸収能力と腸内環境が大切
・筋分解抑制と筋合成促進が大切
・人間の遺伝子は狩猟採集時代から変化していない
(「農耕民族だから、◯◯」はウソ)
・ホルモン調節が全て
今日ではそれら全てが完全に正しいことが解明されています。
ただ、一点、訂正しないといけないこと、つまり、考えが少し変わったことがあります。
それが常々力説していた「意志の力」に関するものです。
意志の力と環境が大事(※)とのたまってきたのですが、「人が思考して決定したと意識、認識する遥か前に、無意識下において決定が下されている」という自由意志の不確かさを最近では思考材料の一端として信じるようになったのです。
※ 意志の力>>>>>環境ではなく、意志の力≧環境
無論、意志と環境、そして熱力学第二法則に逆らった「意識の熱量」が大切であるという持論は変わりませんが、それを無意識かつ自動的に生み出す要因の存在を認めざるに得ない体験は誰にでもあり、一旦、認めてしまえば、その要因に影響しうるファクターを調節することで、意志や意欲の強さをコントロールすることが可能になります。
例えば、以前紹介した
フィットネスの全てにつながる基礎知識 #2
などが良い例です。
グータラな私も、テクニカルに立ち回ることさえできれば、例え追い抜けなくとも、ヴァイタリティに溢れたライバルたちの背中が見えそうな気すらしてきます。
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強烈な意志は、不可避の運命の変更や遅延を可能にする。
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私もターミネーターで考えた-後編
では、その意志は何を礎にするのか?
強烈な意志を産みだす要素の一つが信念である。
意志の力が脳を変える-前編
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思考&意志決定を生み出す信念は、自分自身の判断基準や独自の倫理を持つ事で備わるのではないか。
湯治生活 #7〜プロローグ〜
人間そのものが1個の受容器と考える事は自然。そして、物理的には、人間からは多くの波が出ている。物理的には、人間は光を発している。人間が受信した情報は、一体、何処へ送られるのだろうか?
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知識や造詣を高める事で、感動の解像度を高める
想像する事で感受性を高め、感動を倍増させる
【オマケ】
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