大腿四頭筋に効きにくい!-後編

Q:脚のトレーニング日には、スクワットやレッグプレス、レッグエクステンションを行っています。ハムストリングスは筋肉痛になることがあるのですが、大腿四頭筋は筋肉痛になったことがありません。大腿四頭筋をしっかりと刺激する良い方法はないでしょうか?

前回紹介したフロントスクワットは比較的大腿四頭筋への刺激が大きいスクワットになりますが、フルで行った場合、ハムストリングスや大臀筋もしっかりと刺激できるため、筋力的にバランス良く鍛えたい場合や競技者にとっての四頭筋種目としてはかなりの優等生になります。

今回は最も四頭筋にダイレクト、しかも、一人で出来る、大腿四頭筋キラーの種目を紹介します。


私ほどスミスマシンに辛辣な者も少ないと思いますが、今回はスミスマシンが活躍します。

すでに、

スミスマシンってどうよ?

スミスマシンしかない!

で紹介した話です。

以下引用
スミスは軌道が固定されているので、フリーウエイトでは不可能な姿勢でのトレーニングが可能です。脚をバーよりかなり前方に出したスクワット、身体を後傾させたスクワット、後手にバーを握ったシュラッグ・・・etc。

スミスマシンの最大の長所とは、フリーウエイトでは、やりにくい変則的なプレ・・・、いや、トレーニングが簡単にできる事ではないでしょうか。

スミスマシンの長所と短所を理解し、そのトレーニングバリエーションを学習すれば、もしも通っているスポーツクラブにスミスマシンしかなくても、充分なトレーニングができるはずです。

つまり、今までノータッチのマニュアルモードで、変則的なプレ(中略)・・・、オートマ的マグロ彼女も(中略)、あら不思議!見たこともないような(後略)。



・・・と言うわけで、大腿四頭筋をセルフで最も痛めつけることができるのが、スミスマシンを活用したシシースクワットです。

0、バーをフロントで担ぐ

1、足のスタンスは狭め

2、足の位置はバーの真下か前方

3、ゆっくりと降ろしていき、ボトムポジション間際で、身体を後傾させつつ、膝を前へ突き出す

4、引き伸ばされた四頭筋の力で、元の状態に戻って直立する

文字にすると解りにくいかも知れませんが、要はシシースクワットを行うだけです。

ただし、通常のシシースクワットと異なるのは二点。

まず、固定されたスミスマシンのバーを握っている限り、転けて倒れる心配がないため、余人には意味不明のフォームに見えるくらい膝を前に突き出し、身体をマトリックスばりに水平くらいまで後傾させられることができます。

この膝を前に突き出しながら降ろす動作は、四頭筋にとって筋肉が伸びながら力を発揮するエキセントリック収縮という局面になりますが、同時に四頭筋に強烈なストレッチがかかります。この為、エキセントリック収縮が強調された種目でかつ、ボトムからの戻しの動作は筋肉が引き伸ばされた状態から始まるストレッチ種目になります。

いうまでもなく、大腿四頭筋への刺激とダメージは甚大なものになります。

次に、通常のシシースクワットで負荷をかけたい場合、片手でプレートやダンベルを胸に抱え込んで行いますが、荷重には限界がある上、限度が知れています。

ですが、スミスマシンであれば、いくらでもプレートを追加できるため、成長に合わせて随時負荷を増やすことが可能です。



以上のように、メカニカルの限界に挑んだ変体的フォームによる四頭筋が千切れんばかりの激烈な刺激と適時適時負荷を増やしてゆけるという拡張性によって、「慣れることなく」常に毎回四頭筋が筋肉痛の状態を作り出すことができます。

この刺激に慣れないが為に、毎回毎回、ダメージが出る種目というのは珍しく、回復さえ上手く行けば、短期間で大腿四頭筋のシルエットが変わってきます。

前編で紹介した方法も非常に有効ですが、補助者が必要であるという欠点があります。その点、今回の方法は本来は要らない子のスミスマシンさえあれば、一人で出来る上に最大級の刺激を大腿四頭筋へ与える事ができるため、四頭筋に自信がある人も一度は試してみる価値があります。



【Ex】
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