大腿四頭筋に効きにくい!-中編

Q:脚のトレーニング日には、スクワットやレッグプレス、レッグエクステンションを行っています。ハムストリングスは筋肉痛になることがあるのですが、大腿四頭筋は筋肉痛になったことがありません。大腿四頭筋をしっかりと刺激する良い方法はないでしょうか?

前回は内容的には100%間違いがなく、非常に効果的な方法を紹介しましたが、個人的には単に日本で1,000人くらいしか理解できない合わせ技の「Hold it! ワタシハ、シカゴノ、アバレウシヨー!」(※)をやっと言えたいう話でした。

今回はよりベタな話をしてみます。

どの辺がベタかというと、あまりインフラに左右されずに誰でも、即実践しやすいという点です。

それが普通のスクワットの代わりにフロントスクワットを行うと言った方法です。



フロントスクワットは身体の前面でバーベルを担ぎます。この為、重心がスクワットと異なり、負荷が前方へ移動して、大腿四頭筋への刺激が強くなります。

メリットは四頭筋への刺激増大と、脊柱を真っ直ぐに保ちやすいので、腰椎への負担を「意図的に」減らすことができる点です。

デメリットとしては、まず、動作が些か難しいと言う点。次に、重たい重量を扱い難いと言う点です。ウエイトを腕や肩で支えるため、慣れない内は足腰よりも先にこちらが先に悲鳴をあげてしまうかも知れません。この問題と動作習得の難しさから、始めは極々軽い重量しか扱うことができないかも知れませんが、それでも考え方によっては四頭筋と相性が良いことがわかります。



フロントスクワットは膝とウエイトの位置関係から、元々、四頭筋への刺激が強いスクワットですが、ある欠点を逆手にとることで、より相性の良い種目(メニューの一環)へと昇華できます。

それは大腿四頭筋がしつこいトレーニングに反応しやすいと言う点に着目し、比較的高回数、高セット数で行うと言った方法です。重量を扱えない代わりに、回数とセット数をこなすという路線で、セットを組むわけです。

比較的高回数、複数セット、ショートインターバルで追い込むことで、持久力に優れた四頭筋に悲鳴をあげさせることが可能になり、軽めの重量しか扱えないことがデメリットではなく、意図的意識的なテクニックとすることができるのです。

ただ、ここで重要なのは、意識性になります。

メカニクス的には四頭筋への刺激が強く、腰椎への負担も少なめではありますが、強い意識とそれに裏打ちされた高いコントロールがなければ、四頭筋への刺激増大も腰椎への負担軽減も成されないので、充分な集中が必要です。

と言うわけで、手段としてはお手軽ですが、ただ採用するだけでOKな種目ではなく、高い意識性と集中力が必要なので、それらを踏まえつつお試し頂くのが良いでしょう。

後編へ続く



【Ex】
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