リレー170m編-2018-5
「カーボローディング編」


カーボディプリートした乾燥重量を

8月中に67kg!
9月中に66kg!

と言った目標を立てた。

最終的には、体重66.35kg、体脂肪率8%台となり、水曜日から土曜日のレースに向けてカーボローディングを開始し、レース当日は体重69kg前半、体脂肪率8%前半という予定通りの仕上がりとなった。

そのカーボチャージの様子の一部に関しては、

もし、Twitterらば! #16
俺、今、カーボアップしてるんだ・・・


にて、紹介しているが、これらをみて、違和感を覚えた方もいるかも知れない。

170mであれば、グリコーゲンこそ必要であるが、カーボローディングのような大層なカーボチャージは必要ないと思うのは理屈上、当然である。つまり、大げさに思える。



〜100m、200mにカーボチャージは必要か?〜

まず、大前提として、今回の170m走は来たる200m走の前哨戦としての検証を兼ねている為、200m走のつもりで練習とカーボチャージを行った。

それでも、筋中グリコーゲン貯蔵量に、こだわり過ぎに思えるかも知れない。何せ短距離走はクレアチン燐酸系のイメージが強い為、レース前の炭水化物摂取に関しては、特に意識せず、普段の貯蔵量で何とかなるはずだと。

全力で全身の筋肉を収縮させた場合、そのエネルギー源は体内に蓄積されたクレアチン燐酸と予め待機しているATPによって賄われ、持続時間は約8秒という計算となる。ここから、100m走であれば、クレアチン燐酸が主役となり、グリコーゲンはあまり利用されないことが解る。

しかしながら、実際にはスタートしてからの4秒間にクレアチン燐酸の消耗が起こり、残りの区間はグリコーゲンの依存度も高まるとされている。筋量増大によってパワーが向上しても、同じ伸び率でクレアチン燐酸系によるATP供給量(見かけ上のATP再生成速度)が伸びなければ、最大稼働時間は低下するからではないかと思われる。

この事実に加え、地面からの反発利用率、ストライド、無駄のない足の軌道、無駄のない脚の入れ替え、と言ったスプリントエコノミーが極まっていない場合、力(再生成されたATP)は拡散、または抵抗となって無駄に消費される。

また、単純に遅いということも、運動の持続時間が長くなるため、グリコーゲン依存度の増加要因となる。

私のような元陸上部ではない者や独特のフォーム(作用時間が長い)で走る人は、同じ距離を走るにしても、無駄なATP消耗が発生する為、俄然、100m走であっても、グリコーゲンが必要となる。

筋中グリコーゲンは「非常に重たい」為、その過度な蓄積はデッドウエイトとなって、短距離走においてはパフォーマンスの妨げとなるが、私に至っては100m走であっても、筋中グリコーゲンを多めに蓄えておく意義がある。

3年前に走った170m走の際は、スタート直後から全区間を全力で走ろうとしたところ、ゴール前でグリコーゲンが空になって身体が全く動かなくなるという経験(※)をした為、200m走を想定した仕上げにおいては平常時の3倍とは言わずとも、2倍以上のグリコーゲン蓄積をしておいても、いや、ここは実験なので、後で少々、重かったなぁと思えるくらい大げさに炭水化物を入れておこうとなったのだ。

結果的に、スタミナ的体力を持て余すこととなったが、重たい感じはしなかったので、足らないよりましという路線を今後もとりたいと思う。

※ 乳酸代謝能力やその多型も考えられる



〜遺伝的視点〜

β3ADR変異型にはGCS750とマッハ6
カーボチャージデイ、チートデイの内臓脂肪増大抑制


にて解説したとおりだが、今回、カーボチャージを舐めていた。

377ea758どういうことかと言うと、週5日は炭水化物を制限しつつ、練習量は多めなので、筋細胞のインシュリン感受性はMAXに高まっており、週2日のカーボチャージデイで炭水化物を摂取する際にGCS750やマッハ6を利用せずとも、それらは全て渇いたスポンジのような筋肉へと吸収されると思い込んでいたのだ。

結果は上の通り、週2回の炭水化物チャージデイで内臓脂肪が増えると言った現象に見舞われた。

β3ADR変異型はインシュリン分泌が少ない為に、元々、筋中グリコーゲンを蓄積するのが苦手であり、筋細胞のインシュリン感受性が高まっていても、その傾向があるということだ。つまり、このタイプの人は激しい運動や炭水化物制限を行って、筋細胞の感受性がフルになっていても、炭水化物を多めに摂取する際は、少ないインシュリン分泌をカバーするために、インシュリン模倣物質を積極的に利用すべきである。

この視点から考えると、体質やフォームの完成度(あるいは癖)によっては、400m走以上は勿論、200m走ですら、試合や記録会前の炭水化物摂取量や摂取テクニックの見直しを図ることで、高い即効性が得られると思われる。もちろん、それはレースだけでなく、質の高い練習を行う為にも必要な知識とテクニックとなるだろう。

#36へ続く



【Ex】
30代後半からの筋肉増強-序
30代後半からの筋肉増強-本編

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