「ニキビ面の機密」-前編

テストステロンレベルとニキビは無関係ではない。ただし、高テストステロン=ニキビ面ではない。

ニキビは皮脂を常在菌であるアクネ菌が分解する際に起こす炎症が一因となる。テストステロンは5α-リダクターゼによってジヒドロテストステロンへ転換されることは周知の通りだが、皮脂腺周辺は5α-リダクターゼが多く存在しており、ジヒドロテストステロンはその役目の一つとして、皮脂分泌促進を担っている

つまり、ジヒドロテストステロン過多は皮脂腺から多量の皮脂分泌を起こす。

当然、アクネ菌は喜んで皮脂を分解し、増殖することになるので、ニキビが増えるのも一見当然と思われる。「テストステロンレベルが高まればニキビが出やすくなる」と言った方程式が成り立つように思えるが実はそうではない。

1、5α-リダクターゼ活性
2、免疫力

と言った個人差個体差があるため、思春期や第二次性徴期などに爆発的にテストステロンが分泌されても、産まれながらにテストステロンレベルがMAXな場合でも、ニキビに悩まされることがない人も存在するのだ。

テストステロンレベルが高くても、5α-リダクターゼの活性が高くない、皮脂腺周辺に少ない人(極端な偏りがない人)は、ジヒドロテストステロンによる皮脂分泌促進が穏やかである為、アクネ菌の異常な増殖は起こりにくい。

また、ジヒドロテストステロンレベルが高くても、生まれつき高い免疫力を持っている者は、常在菌の偏った増殖を許さない為、ニキビだらけになることはない。

テストステロンは免疫力を抑制する作用を持つ為、「高テストステロンは高い免疫力とセットであることが理想的」となるが、そのバランスが悪いと人体の表面に如実に表現されるという良い例である。



いずれにしても、生まれつきテストステロンレベルが高い傾向にある人、その中でもとりわけ思春期にニキビで悩んだ人や大人になっても困っている人は、免疫力を賦活して向上させる生活習慣やテクニックの模索に腐心するべきである。

ただし、これはハンディキャップとは呼びがたい。自身の細胞コントロールにおける厳然確実な指針となる為、判断に迷うことなく取り組める上、効果の実感しやすさから継続しやすいと言う利点が大きい。

テストステロンレベルは高いのに、それに見合った免疫力を持たなかったことで、学生時代に酷いニキビ面で過ごした人は、あたかもエンジンパワーだけでフレームや足回りが駄目なスポーティカーのようにも思えるが、実はそうではなかったことが極々最近の研究で判明したのだ。

#29へ続く



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【テストステロン A to Z】
その1 簡易判別法
その2 要はキンタマにあり
その3 栄養でテストステロンUP
その4 トレーニングでテストステロンUP
その5 恋愛でテストステロンUP
その6 映画でテストステロンUP
その7 結婚でテストステロンダウン
その8 パパでテストステロンダウン
その9 キンタマ冷やしてテストステロンUP
その10 パンツ選びでテストステロンUP
その11 マッチョはもてるか Part.3
その12 秋にテストステロンUP!
その13 「素養を知るなら母を観よ?-1」
その14 「素養を知るなら母を観よ?-2」
その15 「素養を知るなら母を観よ?-3」
その16 「素養を知るなら母を観よ?-4」
その17 「素養を知るなら母を観よ?-5」
その18 「素養を知るなら母を観よ?-6」
その19 「素養を知るなら母を観よ?-7」
その20 「素養を知るなら母を観よ?-8」
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その23 「素養を知るなら母を観よ?-11」
その24 「素養を知るなら母を観よ?-12」
その25 「素養を知るなら母を観よ?-13」
その26 「素養を知るなら母を観よ?-14」
その27 「テストステロンブースターで逆ナン?」
その28 「ニキビ面の機密」-前編
その29 「ニキビ面の機密」-後編