素養を知るなら母を観よ-23
「フィットネス関連遺伝子の多型」-4

〜筋肥大考察〜
「実際編、実践編」


前回は考察前の基礎知識であったが、今回は現実的にはどうだろうかと言う話。

筋肥大をもたらす要因は一つではなく、また、世間では最も重要と考えられている要素であっても、ただの一因子でしかなく、よりエフェクティブなファクターがあって然り。


私の場合、

・ACTN3遺伝子(速筋と遅筋の割合):R/X型、標準的

・ACE遺伝子(持久力):I/D型、標準的

・β2ADR遺伝子(浪費型か否か):ヘテロ、やや浪費型

であり、マッスルエリートではなく、普通〜やや不利といった才能である。瞬発系パワー系としても、並〜並以下の才能だ。

しかしながら、延長された表現型としての私、つまり、現在の私の姿と能力は、近距離パワータイプに準じている。

それは何故か?

もちろん、絶え間ない努力の継続と知識の吸収の結果が第一と考えられるが、ここでは他の要因、他のメカニズムについて考えたい。



私の場合、某Gジムでトレーニングを行っていた時期があったが、GGデビューしてから早々に、多くのマシンでフルスタックトレーニングを行うことができた。

・TECA:チェストプレス、ラテラルレイズ

・アイキャリアン:レッグカール、レッグエクステンション

・フレックス:レッグカール、レッグエクステンション、ペックディック

・ストライブ:チェストプレス、ローロウ、ハイロウ

ここからのみで考えると、ACTN3遺伝子がR/X型でも、R/Rに近いもしくは近しい翻訳を受けた、ACE遺伝子がI/D型でも、D/Dに近いもしくは最終的に近しい翻訳を受けた可能性も考えられる。

また、強い筋力発揮には、筋肉の質だけでなく、神経系の強化が必要であるため、脳からの命令形が強いタイプなのかも知れない。何せ、耳を動かせなかったのに、集中力で両耳を個別に動かせるようになったのだから・・・。

と言った感じで、少し考えただけでも、人の能力、マッスルはACTN3やACEだけに囚われることはない。次に、更に別の因子とメカニズムへと考察を巡らせたい。



ジムデビューして、あっと言う間に筋力を高めることができたが、腑に落ちないのは中2になるまでの体たらくである。腕立てもできなかった筋力と矛盾している。

単に鍛えられていない速筋と神経が原因とも考えられるが、私が最初に男性化したのが中2である。第二次性徴、つまり、睾丸からの第二のテストステロンシャワーによって速筋が発達した、あるいは速筋を使役する神経系(代謝系も)が発達したのか、何らかの理由によって速筋が目覚めたとも考えられる。

Ex:
胎児期の第一次性徴に関係するテストステロンシャワー

私に限って言えば、私の筋肥大は速筋体質によって、もたらされたのではなく、テストステロン「受容体」と消化能力に由来していると考えている。

その理由となるエピソードを紹介したい。



Gジム時代の友人「ピストンN君」は、誰がどう見ても毛むくじゃらの超高テストステロン男であり、片っ端から女の子に手を出すやりチン君であった。そして、トレーニングの知識は今もって、私以上で、人体構造にもすこぶる詳しい上に、私と同じくらいサプリメントが大好きだった。

しかし、彼は・・・超高テス男の彼は筋肥大し難かった。

一つは彼はお腹が弱かった。これは最早揺るぎない厳然とした筋肥大阻害の理由となるだろう。

そして、最も興味深い点は見た目的にも行動的にも意欲的にも性衝動的にもテストステロンバリバリなのに、筋肥大しなかった点である。

この現象は「テストステロンの行方」に考えを巡らせることで、メカニズムを見いだせる。



睾丸でのテストステロン生成量が多くても、

・筋細胞上のアンドロゲンレセプター活性が鈍い

・筋細胞上のアンドロゲンレセプターがそもそも少ない

・ジヒドロテストステロン転換率が高い

・筋肉以外の組織でのアンドロゲンレセプター活性が高い

と言った体内環境であれば、血中遊離テストステロンが筋肉で活用される率は大きく低下してしまう。

実際、彼の毛深さや異様な性欲、そして意欲・・・というか、思わず「ピストン」とあだ名をつけてしまったそのアグレッシブさ、バイタリティは全て馬鹿高いジヒドロテストステロンレベル(※)、なんしは高い感受性によるものだとすれば全て合点がいく。

※ 「ジヒドロテストステロンは悪玉であり、ジヒドロテストステロンレベルを下げることが性欲アップにも繋がる!」と説かれることがあるが、実際にはテストステロンからジヒドロテストステロンへの転換を阻害する薬品やジヒドロテストステロンレベルを下げる薬品を使用することで、性欲や意欲の低下を感じるといった報告も多く、中には女性化(乳房)が起こる者も少なくない ・・・ジヒドロテストステロンは中枢刺激が強いのか、アグレッシブさ(ドーパミン生成?)や性欲を高める傾向が高いように思える



私の場合、ウエイトトレーニング開始直後から、ストレッチ種目信者だった。ストレッチ種目をヘビー&ストリクトに行うことで、筋細胞上のアンドロゲンレセプターが増加すると言われていたからだ。

その教えを頑なに長い年月の間遵守してきたことで、筋肉のテストステロンに対する感受性が極まったのではないかと考えている。

実際に私に最も効果があるサプリはテストステロンブースターであることも、これと合致する。

そして、生まれつき胃腸が強かったこと。

この二つの要因が現代遺伝子検査における近代的判定では「普通〜やや不利」といった才能しかない私に筋肥大をもたらしたと結論づけて間違いはないだろう。



以上の話は筋肥大に関連する多種多様、そして多岐にわたる要因の中で、たまたま私に当てはまったものの話となるので、全ての人に同様のアプローチが通ずる訳ではない。

ただ、何よりも確実なのは現在ではmTOR刺激剤(※)が厳然と存在し、消化吸収を助けてくれるサプリやテクニックが既に確立されていると言う点に着目すべきである。

※ HMB-Fa、HMB-Ca、ロイシン

#31へ続く



Ex:
ACE遺伝子I/I型の筋肥大アプローチ考察

β3ADR遺伝子変異タイプの内臓脂肪対策

負荷強度に依存しないトレーニング処方の多様化

【関連】
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己を知れ #4
己を知れ #5
己を知れ #6
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己を知れ #9「素養を知るなら母を観よ?-2」
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