トレーニング編-4
「自分にとって最適な反復回数を見つける」-中編


今回は私を例にとって、反復回数設定について考えたい。

私の場合、筋持久力が著しく乏しい(※)。自重による腕立て伏せですら、10回こなすのがきつい。人に負荷をかけてもらっても、自重でも反復回数に大差がない。同様に、同じ1セット目であれば、自重によるチンニングも、ウエイトで加重したチンニングも、反復回数にほとんど差が出ない。

間違えて主旨の違うお店に入ってしまったような話

当然ながら、30kgのダンベルでインクラインダンベルプレスを反復できる回数と20kgのダンベルで反復できる回数も、大きな差はなく、今も昔も10回反復するのは困難で、レップ数は6〜8回となる。

これは単に速筋体質という訳ではなく、ACE遺伝子がDDタイプだからだと解釈している。遺伝子検査を行った訳ではないが、物心付いたときから持久力に乏しく、学生時代の体育や部活が苦痛だったことや片頭痛持ち(※)であることから予測している。

※ ACEタイプDDは片頭痛発症の遺伝的危険因子に数えられる



そのような体質の者が10回反復できるウエイトを選ぶとどうなるか?

あくまで教科書通りの「10回」を目的とするなら、10kg前後のダンベルでセットを組むことになる。

10kg×10回を3〜5セット
途中で挙がらなくなってきたら、更に重量を落としつつ、10回を目指す。

教科書的には100点かも知れないが、DDタイプや速筋体質が保有している速筋線維を刺激する(可能な限り速筋線維を動員する)といった本質的な目的からすれば、限りなく0点に近いプログラムになってしまう。



ジムでウエイトトレーニングを始めた頃から、10回は何となく向いていない感触がありありとあったため、メインセットにおいては自然と反復回数が6回前後となるような重量を選択するように至った。

ACE遺伝子など知らなくても、8回も(!)反復できる重量は自分の筋肉にとって軽過ぎるようだと感覚的に悟ったのである。

ウォームアップもそこそこに、いきなりメインセットに挑戦し、2セット目以降も6レップス前後反復できそうな重量を選択しつつ、総セット数2〜3セットに留めるのが何となく自分には向いていると、トレーニングの継続によって、自分を知ることになった。



・・・今回の話は一見、私と似たような体質の人は1セット=10回に囚われてしまうと、ウエイトトレーニングにおいては極めて成果につながりにくいと言った話に思えるが、真逆の体質であるACE遺伝子がII型の人にも参考になるはずである。

トレーニングサイクルの観点からは、どのような体質の者であっても、トレーニング目的によって反復回数に変化を付ける必要があるが、中心、起点となる反復回数は体質によって大きく異なる訳だ。

つまり、筋持久力に著しく優れたIIタイプの人が筋肥大させたい場合、やはり、1セット=10回は向いていないと思われる。

早い段階。つまり、10代20代の内に自分の体質を見極めて、最適と思しき反復回数、自分の中心となる反復回数を見つけないといけない!

後編へ続く



【Ex】
長編シリーズ「己を知れ!

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