〜食事に対するスタンス〜
「まとめ」-後編


まとめの前編では、消化吸収能力と各種ホルモンバランスの変化を見極め、受け容れることで、質とプロセスを追求すべきであると言った内容だった。

今回はカロリーや栄養素に対する受容能力の低下や変化とは別の視点から、質とプロセスを重視しないといけないと言う話を展開したい。



〜多様な目的の中で、同一方向を示すベクトルとは?〜

トレーニングと栄養摂取、休息のアプローチさえ間違わなければ、40代、50代でも、肉体的進歩や見た目のインプルーブは充分に可能である。筋力や筋量の変化、体力や持久力の改善、見た目の改善は非常に楽しく、時に痛快を超えた快感をもたらすが、それらを目的として、運動や栄養摂取に努めた場合、同時に健康年齢の改善や若々しさが得られることが多い。

もちろん、健康年齢の改善や若返りを第一目的として、トレーニングに精を出す場合もあるだろう。

いずれにしても、多くの人が肉体の変化や自分自身の改良を楽しみたい場合、短期的な趣味(プロジェクト)ではなく、長期的な取り組みとなるので、「健康年齢」や「肉体年齢」と切っては切れぬ仲となる。

また、30歳以降のシリアスアスリートも、生涯にわたってその競技を続ける生涯現役志向の人や引退後もトレーニングは続けたいと考えている人も、やはり、「健康年齢」や「肉体年齢」を常に意識しないといけない。

トレーニングや自己改良を長期プロジェクトやライフワークとして捉えた場合、同時に身体を若く保つ為の対策を考える必要がある。



〜視点〜

・40歳以降は誰もがDNAエラーを持っており、病気や癌の因子を抱えている。

・食べ過ぎや過食は健康上マイナスに働く。

体脂肪の蓄積は血管や心臓にマイナスに働く、炎症性のサイトカインやホルモン分泌を増やす

腹八分目は健康を改善するだけでなく、長寿遺伝子を発現させる

以上の点から、肉体を若々しく、かつ、健康に保ちたいのであれば、適切な量〜少なめの食事を心がけるのが望ましい。ミクロ的には体細胞やDNAを傷つける各種重金属や化学物質が含まれていない食品や素材を極力選ぶようにする。

ややマクロ的には腎臓や肝臓に負担をかけ過ぎるような食品添加物や重金属、金属類を避ける。特に腎臓は再生しないので、着色料が大量に入ったBCAAサプリメントやプロテイン、飲料水に気を付ける。趣味などで野菜や果物を生産する人は農薬量を極力減らす(噴霧時に自分が曝露する)。

「質が良い食品」と言っても、単なる組成や餌の問題だけでなく、ミクロの視点ではDNAや腎臓にダメージを与えるような因子にも気を付けて食材を選ぶようにしたい。

また、肝臓や腎臓、大腸だけではなく、胆管のケアを考えたような食生活を心がける。



〜一挙両得的選択〜

プロアントシアニジン、イチョウ葉エキス、アスタキサンチン、リコピン、ビニトロックス(ブドウ・リンゴ果皮エキス)、緑茶エキス(EGCG)、ピクノジェノール、アルファリポ酸(ALA)、ウコン(クルクミン)、シリマリン等々の植物由来の抗酸化物質は体内で発生する活性酸素から体細胞やDNAを護る働きを持ち、多くの栄養素は蓄積性があり、放射線などの高エネルギーやLEDのブルーライトから細胞を護る働きが高い。

これらの栄養素並びに抗酸化ビタミンをわざわざ逐一揃えるのも悪い方法ではないが、これらの栄養素は著しく優秀である為、多くの最先端スポーツサプリメントにパフォーマンス改善成分として配合されている都合上、ハイエンドスポーツサプリメント愛好者は知らず知らずの内に身体防護サプリを十分にメンテナンスしている事が多い。もちろん、VIVOやNBGなどのマルチビタミン&ミネラルは、単なる不足微量栄養素補給にとどまらず、抗酸化作用や抗加齢を重視した作りとなっている。

脳機能を保つのに最も役立つのは運動であるが、次点としては体内である種の代謝過程におけるたった一つの素材としての栄養素や特異的な作用を持つ栄養素が大きな役割を占める。記憶力の強化やニューロンの活性には、フォスファチジルセリンやフォスファチジルコリン、イチョウ葉エキスなどが特に有力である。ストレス環境下における精神機能維持や適応に関しては各種アダプトゲンが役に立つ。これらの特殊な栄養素もまた高級スポーツサプリメントに配合されているため、ブランドサプリを活用したトレーニングの継続は結果的に脳機能の改善や維持に役立っている。

また、下半身への脂肪沈着を予防するためのブロッコリーなどのアブラナ科の野菜を積極的に摂取する行為は結果的にがん予防を始めとした各種リスクに対する防御策にもなっている。



〜終わりに〜
子どもは食べ物を選べない。

親が出した食事をとるしかない。昼は給食以外、選択の余地はない。多少料理ができたとしても、使用する食材を選ぶことはできない。

「大人」の定義は難しいが、一つ例えるなら、自分の身体と脳を構成する素材となる食材を吟味し取捨選択することが意識的にできるようになることが、大人になることの基準の一つと表現してもキザでも大げさではないだろう。

#23へ続く



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