素養を知るなら母を観よ-17
「あなたのせいではない!・・・かも!?」-2
〜これはママのせい?〜
学生時代は運動部で大食漢でもなく、今でも食べ過ぎも間食もしていないのに、私は昔からポッチャリしていた。
このように、一見、本人の生活習慣に問題がないにもかかわらず、太り気味になってしまう理由の一つが前回紹介した「β3AR遺伝子の変異」である。この型を持つ人は少数派ではなく、日本人の約1/3にあたるが、その他にも太りやすくなってしまう遺伝子がある。
「あなたのせいではない!・・・かも!?」-2
〜これはママのせい?〜
学生時代は運動部で大食漢でもなく、今でも食べ過ぎも間食もしていないのに、私は昔からポッチャリしていた。
このように、一見、本人の生活習慣に問題がないにもかかわらず、太り気味になってしまう理由の一つが前回紹介した「β3AR遺伝子の変異」である。この型を持つ人は少数派ではなく、日本人の約1/3にあたるが、その他にも太りやすくなってしまう遺伝子がある。
副将「UCP-1遺伝子変異」
脱共役タンパク質1遺伝子(UCP-1)はミトコンドリア内膜のタンパク質で、褐色脂肪細胞だけに存在し、熱産生を担っている。食事やノルアドレナリンによって、UCP-1はエネルギーを熱として無駄に消費することで体温調節に一役買っている。
熱産生を持つUCP-1もまた基礎代謝に大きく関わるため、このUCP-1に変異を持つ人は基礎代謝が変異のない人に比べて100kcal前後低い。
実はこの変異型を持つ人もまた日本人内では少数派ではなく、全体の24%にも達するのだ。
β3ARは内臓脂肪に多く発現している関係上、β3ARの変異によって脂肪細胞からの脂肪酸放出が鈍い人は内臓に脂肪が貯まりやすく、お腹から太り出すリンゴ型肥満になりやすいが、UCP-1に変異を持つタイプの人は太ももやお尻周りに脂肪が付きやすい洋なし型肥満になりやすいとされている。
褐色脂肪細胞の熱産生による浪費のエネルギー源からなのか、女性ホルモンが絡んでくるのか、ともあれ、このタイプの人は下半身を中心に皮下脂肪を溜め込む傾向があるようだ。
さて、UCP-1の変異もまた遺伝による物なので、父親か母親から受け継いだことは間違いない。UCP-1はミトコンドリア内に生成されるタンパク質なので、ひょっとしたら、この変異は母親のみから遺伝する独特のものかも知れない。
何故なら、ミトコンドリアの遺伝子は母親から子供へと遺伝するからだ。父親の精子に搭載されたミトコンドリア遺伝子は受精卵内で分解されてしまうため、子孫へ受け継がれるミトコンドリア遺伝子は常に母方となるのである。
UCP-1の遺伝子がミトコンドリア由来と言う文献を見つけることができなかった為、全くの仮説となるが、もしそうであるなら、男でも女でも、褐色脂肪細胞活性の大小による太りやすさは母親から遺伝することになる。
ともあれ、このタイプの人もまた低い体脂肪率のリーンボディを目指す場合やそれを保ち続けるには若干の努力やテクニックの「継続」が必要となる。
#25へ続く
Ex:
徹底攻略「不活性型β3AR」
【関連】
己を知れ #序
己を知れ #1
己を知れ #2
己を知れ #3
己を知れ #4
己を知れ #5
己を知れ #6
己を知れ #7
己を知れ #8「素養を知るなら母を観よ?-1」
己を知れ #9「素養を知るなら母を観よ?-2」
己を知れ #10「素養を知るなら母を観よ?-3」
己を知れ #11「素養を知るなら母を観よ?-4」
己を知れ #12「素養を知るなら母を観よ?-5」
己を知れ #13「素養を知るなら母を観よ?-6」
己を知れ #14「素養を知るなら母を観よ?-7」
己を知れ #15「素養を知るなら母を観よ?-8」
己を知れ #16「素養を知るなら母を観よ?-9」
己を知れ #17「素養を知るなら母を観よ?-10」
己を知れ #18「素養を知るなら母を観よ?-11」
己を知れ #19「素養を知るなら母を観よ?-12」
己を知れ #20「素養を知るなら母を観よ?-13」
己を知れ #21「素養を知るなら母を観よ?-14」
己を知れ #22「素養を知るなら母を観よ?-15」
己を知れ #23「素養を知るなら母を観よ?-16」
己を知れ #24「素養を知るなら母を観よ?-17」
己を知れ #25「素養を知るなら母を観よ?-18」
プロトタイプ「己を知れ」
脱共役タンパク質1遺伝子(UCP-1)はミトコンドリア内膜のタンパク質で、褐色脂肪細胞だけに存在し、熱産生を担っている。食事やノルアドレナリンによって、UCP-1はエネルギーを熱として無駄に消費することで体温調節に一役買っている。
熱産生を持つUCP-1もまた基礎代謝に大きく関わるため、このUCP-1に変異を持つ人は基礎代謝が変異のない人に比べて100kcal前後低い。
実はこの変異型を持つ人もまた日本人内では少数派ではなく、全体の24%にも達するのだ。
β3ARは内臓脂肪に多く発現している関係上、β3ARの変異によって脂肪細胞からの脂肪酸放出が鈍い人は内臓に脂肪が貯まりやすく、お腹から太り出すリンゴ型肥満になりやすいが、UCP-1に変異を持つタイプの人は太ももやお尻周りに脂肪が付きやすい洋なし型肥満になりやすいとされている。
褐色脂肪細胞の熱産生による浪費のエネルギー源からなのか、女性ホルモンが絡んでくるのか、ともあれ、このタイプの人は下半身を中心に皮下脂肪を溜め込む傾向があるようだ。
さて、UCP-1の変異もまた遺伝による物なので、父親か母親から受け継いだことは間違いない。UCP-1はミトコンドリア内に生成されるタンパク質なので、ひょっとしたら、この変異は母親のみから遺伝する独特のものかも知れない。
何故なら、ミトコンドリアの遺伝子は母親から子供へと遺伝するからだ。父親の精子に搭載されたミトコンドリア遺伝子は受精卵内で分解されてしまうため、子孫へ受け継がれるミトコンドリア遺伝子は常に母方となるのである。
UCP-1の遺伝子がミトコンドリア由来と言う文献を見つけることができなかった為、全くの仮説となるが、もしそうであるなら、男でも女でも、褐色脂肪細胞活性の大小による太りやすさは母親から遺伝することになる。
ともあれ、このタイプの人もまた低い体脂肪率のリーンボディを目指す場合やそれを保ち続けるには若干の努力やテクニックの「継続」が必要となる。
#25へ続く
Ex:
徹底攻略「不活性型β3AR」
【関連】
己を知れ #序
己を知れ #1
己を知れ #2
己を知れ #3
己を知れ #4
己を知れ #5
己を知れ #6
己を知れ #7
己を知れ #8「素養を知るなら母を観よ?-1」
己を知れ #9「素養を知るなら母を観よ?-2」
己を知れ #10「素養を知るなら母を観よ?-3」
己を知れ #11「素養を知るなら母を観よ?-4」
己を知れ #12「素養を知るなら母を観よ?-5」
己を知れ #13「素養を知るなら母を観よ?-6」
己を知れ #14「素養を知るなら母を観よ?-7」
己を知れ #15「素養を知るなら母を観よ?-8」
己を知れ #16「素養を知るなら母を観よ?-9」
己を知れ #17「素養を知るなら母を観よ?-10」
己を知れ #18「素養を知るなら母を観よ?-11」
己を知れ #19「素養を知るなら母を観よ?-12」
己を知れ #20「素養を知るなら母を観よ?-13」
己を知れ #21「素養を知るなら母を観よ?-14」
己を知れ #22「素養を知るなら母を観よ?-15」
己を知れ #23「素養を知るなら母を観よ?-16」
己を知れ #24「素養を知るなら母を観よ?-17」
己を知れ #25「素養を知るなら母を観よ?-18」
プロトタイプ「己を知れ」