陸上100m-2017-6
「アジリティ対策-本編」
短距離走を行うに当たって、自分に足りない物は何だろうと、問えばいくつもの要素を挙げることができるが、中でもアジリティが筆頭候補の一つになるだろう。
「アジリティ対策-本編」
短距離走を行うに当たって、自分に足りない物は何だろうと、問えばいくつもの要素を挙げることができるが、中でもアジリティが筆頭候補の一つになるだろう。
筋肉の収縮速度と言った最小の単位においては筋量と神経系の発達度合いによる筋力によって決定されるため、この点においては私が若年者に劣ることはない。しかし、単純な動作（出力）であっても、関節や拮抗筋を介することから考えると、ことはそう単純ではない。
全身を連動させる動作であれば補助筋群や多関節のコントロールを通して一つのベクトルに力を収束させる都合上、単一の筋収縮速度が速くても、動作のスピードへは容易にフィードバックされない。
素早く身体を動かすには訓練が必要となる。無駄がなく回転の速い動作を身につけるには、それを身体に覚え込ませる必要がある。
〜修練から来る素早さ〜
その目的を果たす手段の「一つ」として、ラダーやミニハードルなどのドリル練習があるが、今期は「走る頻度を上げること」を目標にしていたので、それらのトレーニングを行わなかった。
代わりと言っては何だが、「公階段 下り最速」を目指して、毎日の通勤で駅などの階段を全力で下った。細かい単純な動作を素早くリズミカルに行う為、これもアジリティトレーニングの一つとなるはずである。
単に動作をリズミカルにテンポ良く行うことだけは最速にはほど遠く、ある局面では糸のテンションが切れたマリオネットように柔らかく脱力しつつ、かつ、接地時間をできるだけ短くしないと、下りのスピードがでない。
そして、これらを満たして尚、私よりも速い人に出くわすこともある。日々、下り最速の闘いに挑む男、電車通勤40年の老練者など、一段ぬかしよりも速い速度で下る人達がいるのだ。「動作の素早さ」というのは、それほど奥が深いというのと共に、自分の素早さがまだまだ未熟である事を日々思い知らされた。
で、結論から言うと、それはそれで大切だが、それだけで走りの動作を速くできないかというのは虫が良すぎる考えだったので、来季に向けたトレーニングは体系的なアジリティトレーニングを行う必要がある。
〜エネルギー供給能力から来る素早さ〜
動作が遅い。
これに関する要因は主に上のような体の使い方の機微によるものと考えられるが、ある局面ではもう一つ要因が考えられる。
それはゴール近くのラストで、ワラワラと中学生に抜かれてしまう現象から推察された。
100mを走り切るのに、13秒かかった場合、ラスト3〜5秒はクレアチン燐酸系がダウンし、解糖系のATP生成に頼らざるを得ない。これを単純に捉えてしまうと、筋中グリコーゲンの多寡の問題となり、ある程度のグリコーゲン蓄積がなされることで解決できると思ってしまう。
しかしながら、酸素を用いたグリコーゲン分解と異なり、無酸素でのグリコーゲン分解は酵素を用いてグリコーゲンを分解してATPを得るが、この酵素活性が加齢によって低下する可能性がある。また、無酸素でのグリコーゲン分解は乳酸を生成するため、ph悪化によって酵素活性が失われる。
つまり、上の理由によって、グリコーゲン分解に関わる酵素活性が失われることで、燃料は充分にあっても、供給が追いつかない状態が現出しかねない。
これらに関しては、耐乳酸性のトレーニングを行うことが第一であるが、アルギニン摂取によって酵素活性低下を改善することができると考えられる。
実際には専門の耐乳酸性のトレーニングを行ったわけではないが、100mよりも長い距離を走る訓練をしたことやフェノムなどの解糖系にも良い影響を与えるサプリを常用していたせいか、後半の動作が鈍くなる現象は回避できたように思える。
＃28へ続く
【Ex】
30代後半からの筋肉増強-序
30代後半からの筋肉増強-本編
サプリマスターの減量期 ＠2017-序
サプリマスターの減量期 ＠2017-前半戦
【関連】
40代からの競技への挑戦 序
40代からの競技への挑戦 ＃1
40代からの競技への挑戦 ＃2
40代からの競技への挑戦 ＃3
40代からの競技への挑戦 ＃4
40代からの競技への挑戦 ＃5
40代からの競技への挑戦 ＃6
40代からの競技への挑戦 ＃7
40代からの競技への挑戦 ＃8
40代からの競技への挑戦 ＃9
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40代からの競技への挑戦 ＃11
40代からの競技への挑戦 ＃12
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40代からの競技への挑戦 ＃15
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40代からの競技への挑戦 ＃19
40代からの競技への挑戦 ＃20
40代からの競技への挑戦 ＃21
40代からの競技への挑戦 ＃22
40代からの競技への挑戦 ＃23
40代からの競技への挑戦 ＃24
40代からの競技への挑戦 ＃25
40代からの競技への挑戦 ＃26
40代からの競技への挑戦 #27
40代からの競技への挑戦 ＃28
全身を連動させる動作であれば補助筋群や多関節のコントロールを通して一つのベクトルに力を収束させる都合上、単一の筋収縮速度が速くても、動作のスピードへは容易にフィードバックされない。
素早く身体を動かすには訓練が必要となる。無駄がなく回転の速い動作を身につけるには、それを身体に覚え込ませる必要がある。
〜修練から来る素早さ〜
その目的を果たす手段の「一つ」として、ラダーやミニハードルなどのドリル練習があるが、今期は「走る頻度を上げること」を目標にしていたので、それらのトレーニングを行わなかった。
代わりと言っては何だが、「公階段 下り最速」を目指して、毎日の通勤で駅などの階段を全力で下った。細かい単純な動作を素早くリズミカルに行う為、これもアジリティトレーニングの一つとなるはずである。
単に動作をリズミカルにテンポ良く行うことだけは最速にはほど遠く、ある局面では糸のテンションが切れたマリオネットように柔らかく脱力しつつ、かつ、接地時間をできるだけ短くしないと、下りのスピードがでない。
そして、これらを満たして尚、私よりも速い人に出くわすこともある。日々、下り最速の闘いに挑む男、電車通勤40年の老練者など、一段ぬかしよりも速い速度で下る人達がいるのだ。「動作の素早さ」というのは、それほど奥が深いというのと共に、自分の素早さがまだまだ未熟である事を日々思い知らされた。
で、結論から言うと、それはそれで大切だが、それだけで走りの動作を速くできないかというのは虫が良すぎる考えだったので、来季に向けたトレーニングは体系的なアジリティトレーニングを行う必要がある。
〜エネルギー供給能力から来る素早さ〜
動作が遅い。
これに関する要因は主に上のような体の使い方の機微によるものと考えられるが、ある局面ではもう一つ要因が考えられる。
それはゴール近くのラストで、ワラワラと中学生に抜かれてしまう現象から推察された。
100mを走り切るのに、13秒かかった場合、ラスト3〜5秒はクレアチン燐酸系がダウンし、解糖系のATP生成に頼らざるを得ない。これを単純に捉えてしまうと、筋中グリコーゲンの多寡の問題となり、ある程度のグリコーゲン蓄積がなされることで解決できると思ってしまう。
しかしながら、酸素を用いたグリコーゲン分解と異なり、無酸素でのグリコーゲン分解は酵素を用いてグリコーゲンを分解してATPを得るが、この酵素活性が加齢によって低下する可能性がある。また、無酸素でのグリコーゲン分解は乳酸を生成するため、ph悪化によって酵素活性が失われる。
つまり、上の理由によって、グリコーゲン分解に関わる酵素活性が失われることで、燃料は充分にあっても、供給が追いつかない状態が現出しかねない。
これらに関しては、耐乳酸性のトレーニングを行うことが第一であるが、アルギニン摂取によって酵素活性低下を改善することができると考えられる。
実際には専門の耐乳酸性のトレーニングを行ったわけではないが、100mよりも長い距離を走る訓練をしたことやフェノムなどの解糖系にも良い影響を与えるサプリを常用していたせいか、後半の動作が鈍くなる現象は回避できたように思える。
＃28へ続く
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40代からの競技への挑戦 #27
40代からの競技への挑戦 ＃28
