陸上100m-2017-4
「100m的スタミナ対策編」


〜高負荷環境下での筋持久力改善〜
前年度の自分の走りで最も印象的だったのが、後半における失速である。

前回記したが、人がクレアチン燐酸系を用いて最大パワーで活動できる時間は8秒以下である。ここにクレアチンがフルチャージされると、10秒程度に延長されると言われている。

私の場合、疾走時間もさることながら、未熟なフォームによるランニングエコノミーの低さも大いに影響するため、レース後半では完全にダウンしたクレアチン燐酸系に代わって、グリコーゲンの依存度が高くなる。

ラスト10〜15mくらいだろうか?10秒以降に本当にプスンと音を立てたように、失速してしまう理由はクレアチン燐酸の枯渇が第一に考えられるが、他にも要因がある。



・耐乳酸性の低さ
ATP再生が解糖系へ移行すると、その副産物として乳酸が生成される。乳酸は筋中のph低下をもたらすが、phが低下するとあらゆる代謝が停滞してしまうので、当然ながら筋収縮の遅延が生じる。速筋線維がただ単に多いだけの場合、その分、大量の乳酸が発生する。

・スプリントエコノミーの悪さ
ある程度のスプリント技術に達していれば、ランニング(スプリント)エコノミーが高い為、ほとんどの区間をクレアチン燐酸系が産み出すエネルギーで走ることができる。私の場合、技術が未熟であることと、パワーウエイトレシオが悪いため、全力10秒間分のクレアチン燐酸を溜め込んでいても、それが丸々10秒間のスプリントにスライドするわけではない。10秒を待たず、恐らく半分くらいの距離から、クレアチン燐酸がダウンし始め、解糖系が使われ始めると思われる。当然、乳酸の蓄積はラストで起こるのではなく、50mあたりから起こっているのだろう。

・グリコーゲン不足
上の理由からラスト3秒分のグリコーゲン貯蔵があれば、それなりにスムーズにレースを終えることができると言う話ではなく、6秒分以上全力で動けるだけのグリコーゲン蓄積が必要ではないかと考えられる。急激な体重増加を恐れた結果、さほどカーボをチャージせずにレースに臨んだ為、ラスト数メートルでは局所的にグリコーゲン不足が起こった可能性がある。

・グリコーゲンシフト対策不足
ATP再生がクレアチン燐酸から、グリコーゲンへとシフトすると、ATP供給速度が低下するため、当然ながら筋収縮速度は遅くなる。この為、前半と同じ感覚で走っていると、脳の命令に反して動作の遅延が起こる。クレアチン燐酸を利用したフルパワーのフォームで走ることはできないのだ。つまり、ラストは筋収縮速度に適したフォームへとシフトしないといけない。ラストがギクシャクした動きになるのはこの為だろう。



と言った分析を元に、その解決策として至極単純な対策を導き出した。

それが、

・オフシーズンから100mよりも長い距離を積極的に走る
・減量中でもある程度の炭水化物を摂取する
・カーボチャージ日のチートデーは強気に炭水化物を摂る

と言ったものである。



冬場から体脂肪管理も兼ねて、トレーニングを行う際は150〜170mの距離で積極的にスプリントを行った。耐乳酸性の向上の目的もあるが、後半に起こる筋出力低下や反応低下を身体に覚え込ませようとした。

また、トラックで100mの練習を行う際、グリコーゲンが不足しすぎていると、どうしてもラスト数秒間の力が出ない上にキツイので、ついつい手を抜いてしまう。カーボチャージ日以外の日であっても、ある程度炭水化物を摂取するようにしたら、楽になることを発見したため、ようやく100mスプリントという額面通りのトレーニングクオリティを得るに至った。

100mの場合、競技時間とパワーウエイトレシオから考えれば、それほどグリコーゲンへの依存度は高くないが、前述の通り、私のスプリントエコノミーは低いので、レース数日前からのカーボローディングはしっかりと行うようにしてみた。

結果的に練習中もレース本番も、ラストにプスン!とならなくなったように思え、走り終えた後に、快感を味わえるようになってきた。

#26へ続く



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