長期間続く下痢、長引く下痢-3

Q:気がつけば3ヶ月ほど、ずっと、下痢が続いています。ヨーグルトなどを沢山食べるようにしていますが、一向に改善しません。やっぱり、専用の乳酸菌サプリなどを利用した方が良いのでしょうか?

長引く下痢の原因は、マクロファージの過剰な反応か?腸壁のバリアー機能が低下するリーキーガット症候群か?それとも、身体に合わない乳糖によるものなのか?

実は何かが悪いと言った単純な話ではありません。つまり、「単独犯」ではないことが多いのです。



食物繊維、乳酸菌云々があまり関係ない下痢-3
〜インターロイキン8の好球中誘導〜


腸管上皮細胞がTNF-αや活性酸素、炎症性サイトカインなどによって刺激を受けると、それ自身がインターロイキン8というサイトカインの一種を大量に分泌します。

これが好中球を活性化し、好中球が腸管上皮細胞を刺激することで、再び腸管上皮細胞からインターロイキン8が分泌されて腸管上皮細胞の損傷が続く炎症ループと呼ばれる悪循環が起こるのです。

TNF-αと活性酸素もインターロイキン8の分泌を促し、これらは相乗してインターロイキン8を増やすことも解っています。



〜負の炎症ループ〜

上の条件、状態を併発し、負のサイクルに突入してしまった場合、何らかの原因に対する対処を施したところで、その悪循環を容易に経つことが難しく、根本的に解決するのは困難となってしまいます。

白血球の一種マクロファージが異常を起こすことで、TNF-αの過剰な分泌を起こし、これが腸管上皮細胞を損壊します。これ自体でも充分な生体ダメージとなって、下痢や血便の原因となるのですが、この腫瘍壊死因子を始めとしたサイトカインなどによって、腸管上皮細胞自体がインターロイキン8を分泌し、炎症を助長します。

更に悪いことに、インターロイキン8は好球中を呼び寄せ、活性化し、それらが再度、腸管上皮細胞を刺激、攻撃することで、またも腸管上皮細胞からインターロイキン8が分泌されるという負の炎症ループが続くのです。

そして、腸壁の損壊によってバリアー機能はますます低下し、体内への異物やアレルゲンの摂り込みは増加し、結果的に炎症性サイトカインの総量が増えるだけでなく、便の状態以外にも皮膚や体調などにも大きな影響を及ぼすようになります。

このようなメカニズムに起因する長期の下痢や血便に対し、「マクロファージが生成するTNF-αを抑制する薬剤を使用する」、「好球中の活性を抑える」、「インターロイキン8を抑制する薬剤を使用する」、「腸まで届く乳酸菌がー」と言った対処を施したところで、上の連鎖を止めることができるでしょうか?

個々の対処では大元や負の連鎖を断ち切ることはできようはずもないので、薬を絶やさないことで一定の改善の徴候は見いだせても、薬剤などによる完治は難しいのは当然の帰結となります。

#4へ続く



【Ex】
子供も大人もうんこを観察すべし!

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