「風邪やインフルエンザに罹る人は、身体がそれを必要としているからではないか?」
-仮説-
〜イントロダクション〜


口角炎に罹って、病院や薬局に行ったら、塗り薬とビタミンB剤が出てくる。

確かに

「〇〇という薬剤を湿布することで、口内炎や口角炎の治癒が早まった・・・」
「△△は〇〇と言う普及品よりも、早く治癒した・・・」


と言った臨床試験の結果を知ることができ、

「ビタミンBが不足すると、口角炎になりやすいので」

と言った栄養アドバイスをそこかしこに散見することができるが、私の意見は異なる。

元凶はビタミン不足でも真菌でも無く、胃が荒れた結果として、口角炎になったり、舌やほっぺたを噛んでしまうのだ。


口角炎は真菌によって起こるとされるが、その真菌は誰かから感染させられるものではなく、我々に普段から住み着いている常在菌なのである。

普段、我々の胃は優れた粘膜によって胃酸から護られているが、刺激物の過剰摂取、食べ過ぎ、アスピリン、強いアルコール、ウィルス感染、免疫力低下によるピロリ菌の跳梁跋扈等々によって、粘膜が損傷し胃壁が傷つくことがある。それを修復するには、絶え間なく胃へと運ばれてくる食品によって起こる強酸である胃酸分泌と蠕動は好ましくない。

最も回復を早めるのは間違いなく、修復の邪魔となる食事を断つことである。



ここまでは誰でも経験的に体感しているはずである。口角炎の発生、または舌やホッペを噛んでしまう現象は胃荒れとセットであることを。

食事中に、
「痛ぁぁああ!舌噛んだ」
「あんた、それ胃が悪いのよ」

・・・なんて誰もが親に言われたはずである。

ここからが私が確信している「仮説」であるが、胃は自身の存在を護る為に、免疫におけるある領域の支配権を与えられており、その存在が脅かされたときに、その権限を行使できるのではないだろうか。

つまり、免疫と言う「ファイアウォール」の特定のポートを開放し、口角炎を起こす真菌に便宜を図るのである。常在菌は普段は免疫によってシャットアウトされているが、「胃」が口角炎を起こす真菌を免疫が攻撃しないように仕向ける。同時にどういう仕組みか見当が付かないが中枢にも働きかけ、非随意運動に近しい咀嚼動作にエラーが起こるように仕向けるのである。

すると、その胃の持主は、口を開けるのは痛いわ、舌やほっぺを噛むわで、食べるのをやめるか、食べる量を減らすはずだ。

傷ついた胃は胃酸の荒波から開放され、晴れて回復に専念できるのである。



口角炎の下手人は真菌であるが、黒幕は「胃」なのである。

ピロリ菌もまた実行犯なだけで、黒幕がいると言う話を以前クリアの解説で少し紹介しましたね

よって、その元凶を何とかしない限り、エビデンスというお墨付き薬のありがたさも薄れてしまうわけだ。当然、ビタミンB何ぞで、どうにかなることでもない。

ピロリ菌が悪さをしないように免疫力を高めつつ、絶食なり、食べる量と回数を減らすことが近道となるのだ。

根治や再発防止を真剣に考えた場合、「口角炎=塗り薬+ビタミンB」と言う攻略法的公式ではなく、メカニズムや因果を追求し、元凶を理解する努力をしたい。

短めの本編へ続く



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