長期間続く下痢、長引く下痢-1

Q:気がつけば3ヶ月ほど、ずっと、下痢が続いています。ヨーグルトなどを沢山食べるようにしていますが、一向に改善しません。やっぱり、専用の乳酸菌サプリなどを利用した方が良いのでしょうか?

まず、小ネタとしては、近年、米医学誌「Science Translational Medicine」に発表されたワシントン大学の研究によれば、一卵性の双子を対象とした検討では、ヨーグルト摂取の有無で 腸内細菌などの変化に差が一切認められなかったそうです。また、乳酸菌によって乳糖は30%ほどしか分解されないので、乳糖を分解するのが苦手な乳糖不耐性の人はヨーグルトそのものが下痢や軟便の原因となるかも知れません。

ただ、乳酸菌摂取が有益か否かどうかと言うと、有益だと思います。ですが、乳酸菌を摂取すれば、長引く下痢を抑えることができるかどうかと問われれば、その可能性は低いのではないかと考えます。血液への栄養供給や便の状態に関しては、腸内細菌叢バランスの影響を受けますが、その機微だけが便の状態を決めるのではないからです。




食物繊維、乳酸菌云々があまり関係ない下痢-1

悪玉菌が増えすぎて、便やオナラが臭くなる。繊維不足で、便が緩い、かさが少ない。消化不良や拒絶反応で、お腹を下した。

これらの症状に対しては、プロバイオティクス(乳酸菌など)とプレバイオティクス(食物繊維など腸内細菌の餌)を組み合わせたシンバイオティクスと多種多様な消化酵素を含むVIVOやクリア、ビッグイーターを活用することで、改善が期待できます。

しかし、腸壁の炎症による長引く下痢に関しては、消化促進と腸内細菌叢改良だけでは、劇的に改善されないかも知れません。もちろん、腸壁保護や炎症防止には、シンバイオティクスと消化酵素は必須事項の一つではありますが。



近年、数十倍にまで急増したと言われているのが炎症性腸疾患と言われる腸の炎症で、長引く原因不明の下痢や血便、体重の減少などを特徴とします。

白血球の一種である免疫細胞のマクロファージが異常を起こすことで、腫瘍壊死因子と呼ばれるサイトカインの一種を分泌し、これが微絨毛などの腸管上皮細胞を損壊させるそうです。この炎症と損傷反応が下痢や血便の原因となる訳です。

間接的には腸内細菌叢バランスも影響しているはずですが、マクロファージの暴走に対して直接的直球的な即効性はないため、このような場合においては「僕の乳酸菌サプリは腸で溶けるようにコーティングしてあるもんね」と言われても大した意味を持たないのです。

#2へ続く



【Ex】
子供も大人もうんこを観察すべし!

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