定期的なファスティングは筋肉作りに役立つので、できれば採り入れたい。

FPファスティングを行うことで

・血中グルコースレベル(ブドウ糖)が大幅に低下する

・血中インシュリンレベルが大幅に低下する

と言った反応が初期に起こり、最終的には

・筋肉のインシュリン感受性が大幅に向上する

ことになる。


ファスティングのような極短期〜短期の超低カロリーダイエット、または、中〜長期のカロリー制限を行うと、甲状腺ホルモンレベルなどを調節することで身体は基礎代謝を下げる防衛反応を起こすが、基礎代謝の低下は一次的な物で、カロリー制限をやめると急速に回復することが知られている。

その一方で、血糖値や血中インシュリンレベルは、カロリー制限をやめても、低い状態が維持されることが判明している。カロリー制限によって、筋肉のインシュリン感受性が格段に向上した結果である。

過食や糖質タップリの食生活を続けてしまうと、再び筋肉のインシュリン感受性は低下してしまうが、ある程度クリーンな食事を続けていれば、向上した感度は元からの持続効果と相まって長期間保存されることだろう。



つまり、カロリー制限によって、筋肉のインシュリン感受性にリセットをかけ、更に感度が高められるため、結果として、その後のサイクルにおいて、筋肉への同化をインシュリンに依存する栄養素の摂り込み増大が起こると考えられるのだ。グリコーゲンとなる血中グルコースは元より、クレアチンや筋肉の根源たる必須アミノ酸も、インシュリンによって筋肉への同化が強く促される。

ファスティング後に劇的な筋肉のリバウンドが起こるのは、この筋肉のホルモン感受性のリフレッシュと言う要因の影響が大きいと思われる。

筋肉の感受性リセットは、当然、糖質を控えたダイエットでも起こる現象である。比較的短期間で感受性をリフレッシュしたい場合や健康増進を含めた兼用的アプローチの場合はファスティングが適するが、ファスティングを行いがたい人は炭水化物を控え目にした減量サイクルを採り入れるのが良いだろう。

詰まるところ、大きな身体を作りたいバルクアップ・増量志向の人も筋肥大したい人も、年がら年中、高カロリーの食生活を続けるよりも、年に数回はカロリー制限期を設けて、筋肉のインシュリン感受性をリフレッシュした方が早く目標に近づける可能性が高い訳だ。



この考え方は特に目新しいものではないが特に30代後半の人やそれ以前の年代でもアンチエイジングに関心が高い人には重要なテクニックとなる。

定期的に運動を行っていても、その強度や内容、時間、頻度、体格、体質によって、筋中グリコーゲンの消耗度は異なる為、高カロリー食の継続は筋肉のインシュリン感受性を低下させ、体内で「AGEs」と呼ばれるタンパク質が糖と結合した加齢ゴミの蓄積を引き起こす可能性がある。

老化の原因はプリセット説や活性酸素悪玉説に始まり百花繚乱であるが、どれか一つではなく、複合的に関連し合っていると思われ、このAGEsも重要なファクターであると判明している。糖化されたタンパク質は容易に代謝されないので、それはしばしばコラーゲン組織などに蓄積され、肌や関節、血管などの組織を劣化させてしまうのだ。

Ex:
体内年齢と筋肉の質を計測できる体組成計

この体内での余分な糖化を減らす一番の方法は、血糖の処理や脂肪酸β酸化がスムーズに行われることなので、筋肉のインシュリン感受性の改善は最も有効な対策の一つとなり、同時に最高のアンチエイジングの方法にもなるのだ。

健康的な身体作りや維持を志すミドルエイジ以上の人であれば、筋肉作りを兼ねた積極的アンチエイジングと健康増進法として、ファスティングを定期的に行う価値が充分にあり、それが無理なら緩くても良いので減量サイクルをトレーニングサイクルに組み込むべきだろう。



Ex:インシュリン感受性の改善に役立つサプリ
・実はマッスルサプリの「GCS750
・機能性基本サプリ「アルファリーン

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