ハムストリングスに効きにくい!-5

Q:ジムへ通い、レッグカールを熱心に行っていますが、全く足の裏側が筋肉痛になりません。スティフレッグドデッドリフトをやっても、何処に効いているか全然解りません。

Q:ジムでのトレーニングでは、ハムストリングスに刺激を得られないのでアドバイスされた通り、スプリントトレーニングを始めてみましたが、大腿四頭筋ばかり筋肉痛になります。一体全体、どうしたら良いのでしょうか?


前回までに紹介したアプローチは、主に

・脳とハムストリングスの繋がりを強化する繰り返し運動を行う
・強制的にハムストリングスを動員する動作を行う

と言った2系統に大別されるものでした。

いつも通りのオチである今回は、ハムストリングスが勝手に使われる、使わざるを得ないと言う後者のアプローチになります。



「本当に重たい重量を選択する」

四頭筋を徹底的に締め上げてバーンさせるために、15レップスで複数セット行えるような軽めの重量を選ぶこともあります。可動域も、四頭筋がよく働く範囲になる場合が多いでしょう。

スクワットでハムストリングスを刺激するには、可動域を目一杯活かしたフルスクワットが有効である事は、誰もが一度は聞いた事があるはずです。しかも、なるべく重たい重量で行いたいと。

実際に試してみた結果、ハムストリングスに効かないこともあるかも知れません。

その様なときは、使用重量が本当に重たいのか疑ってみて下さい。テンポ良く、かつ、ノーリスクで、お洒落に8〜10レップスこなせるようでは、それは高重量とは言えません。

脊椎が軋み、脂汗が染み出てて、噛みしめた唇から呻きが漏れつつも、何とか4レップス、人によっては6レップスできるかできないかの重量こそが、ハムストリングスを刺激できる適正な重量なのです。

兎も角、重たい重りを担いで、下半身の可動域限界までしゃがみ込んでみて下さい。奈落の底たるボトムポジションで、あまりの重たさによって、ハムと大臀筋の境目当たりが「ミリッ!」となります。そこから切り返して、全身全霊をもって立ち上がるのです。

自分なりで良いので本当に重たい重量で、可動域目一杯の動作を行えば、勝手に身体が答えてくれます。ハムストリングスと大臀筋の筋肉痛がこんなに辛いものなのかという発見があるでしょう。



スティフレッグドデッドリフトに関しても、同様です。

腰に負担をかけないお洒落なフォームと重量で行うのではなく、バーを握る手も痛くなる、あるいはストラップを使わなければ掴めない数レプスをひねり出すのがやっとの重量に挑戦して、初めてハムストリングスが使われることがあるのです。気を抜くと腰を痛めてしまうような重量を扱うことになるので、動作に要する集中力は生半可なものではありません。

セットを終えたあとは、重量物を動かした達成感だけでなく、自分自身の集中力に満足感を覚えるはずです。



というわけで、今回も毎度お馴染みのオチとなる「重りが先生(師匠)」という話でした。

#6へ続く



【Ex】
マスターと考える下半身のトレーニング-まとめ

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