ハムストリングスに効きにくい!-3

Q:ジムへ通い、レッグカールを熱心に行っていますが、全く足の裏側が筋肉痛になりません。スティフレッグドデッドリフトをやっても、何処に効いているか全然解りません。

Q:ジムでのトレーニングでは、ハムストリングスに刺激を得られないのでアドバイスされた通り、スプリントトレーニングを始めてみましたが、大腿四頭筋ばかり筋肉痛になります。一体全体、どうしたら良いのでしょうか?


無意識下でも、意識してみても、ハムストリングスの利用率が低い・・・それはその人の生活習慣に適応しただけのことであって、不自然というわけではありません。

それまでの生活スタイルや生活強度、歩き方(むしろ歩かない)に適応した結果、動作とハムストリングス、そして脳とハムストリングスの結び付きが弱くなることもあるでしょう。

このような場合、ハムストリングスを鍛えるに当たって、意識してハムストリングスを使おうとしても、繋がりが出来上がっていないので、全く成果がでないといった問題が起こるかも知れません。

意識的にハムストリングスの利用率を上げることができない場合、自然にハムストリングスを使用せざるを得ない動作を繰り返して脳との結び付きを強めていくのが理想的です。意識しなくても、強制的にハムが収縮する動作を反復するのです。

その一つが前回紹介した水中歩行です。ただ、わざわざプールに行かないとできないトレーニングとなる為、繰り返す事で神経系を発達させるドリル練習と呼べる頻度で通うことは中々難しいと思います。

そこで今回はよりお手軽な方法を紹介したいと思います。



それは坂道登りです。

凸凹のある山路などではなく、アスファルト舗装された普通の道、ただし、坂道をひたすら登るのです。実際に行ってみると直ぐに解りますが、膝の曲げ伸ばし範囲は意外なほど狭く、専ら脚を後ろへ引く動作によって身体を前に進めていることに気がつきます。

膝をほとんど使わないので、お尻やハムストリングスが疲れてきます。

一見、登りの階段が良さそうなイメージがありますが、膝の曲げ伸ばしによって階段を上がっていくので、最も早く悲鳴をあげるのは大腿四頭筋だったりします。そして、階段や坂の下りの際に活躍するのも四頭筋です。ブレーキの役目を果たすからです。脱線しますが、大腿四頭筋を鍛えるなら階段の上り下りをセットで行うのがベストということになります。

ハムストリングスを強制的に動員したい場合は、平らな坂道をひたすら登ることに徹します。勝手にハムが利用されるのでコツは要りませんが、敢えて言うなら膝をできるだけ曲げ伸ばしせず、出来るだけ大股を意識します。そうすることで、ハムストリングスとの繋がりを強化できるばかりか、ヒップアップも図れる一石二鳥のトレーニングになります。

坂道登りに飽きたら、階段を3段飛ばしで登ってみるのも良いです。立派な高強度トレーニングになるので、ハムストリングスのみならず、筋持久力まで鍛えることができます。

と言うわけで、明日からは坂を登る際に少しだけ意識してみて下さい。

#4へ続く



【Ex】
マスターと考える下半身のトレーニング-まとめ

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