40歳を過ぎてから、以前よりも筋肉が付きやすくなったと言う経験談を何人かから聞いた事があった。これは代謝が落ちて、安静時の消費カロリーが減った影響が大きいと考えられるが、中にはそう断言する人もいた。

代謝というと、減量期に最も関係する要素と思いがちだが、筋量を増やしたい場合においても重要となる。

代謝が極めて激しすぎると、安静時を含めたあらゆる消費が激増し、筋肉の成長に栄養が回らなくなってしまうことや代謝が異常に遅いと反対に激太りしてしまうことは、体験しなくても何となく想像できるはずである。つまり、代謝は激しすぎても、遅すぎても、身体作りには宜しくないわけだ。

年齢相応の代謝を安定させるには、甲状腺の健康が大切となる。


〜各種ホルモンレベルの調整-6〜
「甲状腺ホルモン」


甲状腺ホルモンレベルは高すぎても、低すぎでも、身体作りには勿論、健康維持にも良くないため、正常な機能が保てるように、甲状腺の健康に気を遣うべきである。

甲状腺機能が高まりすぎると、異常な発汗や動悸、食欲昂進が起こり、反対に低下しすぎると、異常な冷え性ややる気の低下、激太りなどが起こりやすくなる。これらは、甲状腺ホルモンの大幅な増減によってもたらされる為、基本的にはその分泌を担う甲状腺の健康維持に努めないといけない。

甲状腺が何らかのダメージを受けることがその機能に変調を起こす一因と考えられ、特定元素がガス化した物を取り込むことで甲状腺がダメージを受けると一般的には理解されている。その状況は極めて稀なケースであったが、海外における最近の知見では、他の重金属や元素も甲状腺に蓄積し、ダメージを与えているとされている。

ごく最近では、ココナッツオイルが甲状腺に良いとされブームとなったが、根本的な解決法ではないので、多角的考察と包括的実践を継続する習慣を身につけるのが理想的である。もちろん、トーストにココナッツを塗る行為は、数多くの手段の一つとして、採用し続ける価値があるかも知れない。



「二人の伏兵?」

ミクロで見ると、焦点はホルモンではなく、その分泌器官であり、それを攻撃する物質となるが、少しだけ後ろにカメラを引くと少しだけ気になる要因が顔を覗かせる。脳下垂体は血中の甲状腺ホルモンレベルを敏感にキャッチして、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌を増減させ、甲状腺ホルモンの生成を巧妙にコントロールしている。

この司令塔とも言える脳下垂体の機能がおかしくなっていた場合、甲状腺ホルモンレベルを正常に保てなくなる可能性も考えられる為、脳下垂体がCaと間違えて溜め込みやすい悪玉元素にも気をつける必要がある

副甲状腺の変調もまた筋肉質な身体作りとは真逆の作用を呈する可能性を持つ。副甲状腺は、カルシウム代謝を司っているため、それがおかしくなってしまうと、容易に骨折しやすくなり、レジスタンストレーニングそのものが成立しなくなってしまうし、身体だけでなく脳の神経伝達にも不具合が生じるだろう。



不断のジャブ

上に挙げた器官の健康を劇的に回復させる右ストレート的な対策は存在せず、その健康を保つには、良質な食品摂取と過度ではない民間健康法の継続が有効であると考えられる。また、これら器官のみならず、他の臓器、身体の至る所へのダメージを軽減するには、各種カロチノイドやリコピン、ルティン、ポリフェノール類などの強力な抗酸化作用と抗腫瘍作用を持った栄養素の日常的かつ積極的な摂取が欠かせないだろう。

トマトやパプリカなどの色素が豊富な緑黄色野菜や果物を「意識」して「選ぶ」必要がある。幸運な事に、スポーツサプリユーザーの多くは、VIVOやNBGなどのクラスター弾的に抗酸化栄養素が詰まった基本サプリを採用し、プロアントシアニジンを高用量で含有するオプショナルサプリをサイクルしているので、全く健康を気にかけていなくても高得点が採れている。

意識的であれ、無意識であれ、上の条件を満たして良い汗をかいている者は、甲状腺の健康維持のみならず、各種器官を良好な状態に保て、結果としては健康増進やライフクオリティ向上が得られているはずである。

#10へ続く



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