今回と次回の話は、「本質的コストパフォーマンスが高いスポーツサプリメント」の内容に少し近しい。

筋肉の為だけに行っている行為が意図せずとも結果的に、健康増進に繋がっていることがあるが、健康状態はライフクオリティに多大な影響を与えるので、その意味を自身の経験や周りの人々を客観視してきたことで嫌と言うほど理解している年代には、重要な要素となる。

その行為が身体作りに役立つ上、健康に大きく貢献すると意識できていれば習慣化しやすく、得られる結果も違ってくるだろう。


〜各種ホルモンレベルの調整-5〜
「エストロゲン」


筋肉質、かつ引き締まった身体を求める男性にとって、エストロゲンはしばしば敵視されるホルモンである。

エストロゲンは体脂肪の合成を促し、特に下半身に脂肪を溜め込ませる傾向があるからだ。その特徴的な脂肪合成促進作用と水分を貯留させる働きから、コンテスト前のボディボルダーの中には女性ホルモン分泌を減らす工夫を凝らす者も少なくない。余分な水分を減らし、ヘソから下の下半身をパリッと仕上げたい訳だ。

しかし、その生成量や感受性は、個人差があるため、大抵の人はその低減や過剰分泌予防に躍起になるよりも、他の要素にエネルギーとコストを割く方が生産的と言えるだろう。

ただ、人によっては、年齢を重ねるにつれて、男性ホルモンレベルの低下に伴い、それに対する女性ホルモンの比率が高まることで、女性化の傾向が発現することもある。洋なし型に太ってしまったり、胸に脂肪が付いてしまう現象だ。

30代後半で上の現象が起こることは、ほとんどないと思われ、また、兎に角、身体を大きくしたいバルクアップ期には、女性ホルモンの作用はむしろ利用できるので、エストロゲン対策を行う必要はないが、年間を通して良いコンディションを維持したいリーンボディ志向の人や減量中の人は、少しばかり気遣っても良いだろう。

もちろん、男性ホルの低下や年齢に関係なく、女性ホルモン由来の太り方をしている人は、対策を施すべきである。



1、ブロッコリーやキャベツ、白菜、チンゲンサイなどのアブラナ科の野菜を食べる

アブラナ科の植物にはインドール(インドール3カルビノール)と呼ばれるフィトケミカル(植物性化学物質)が含まれ、その代謝物であるジインドリルメタンと共に、テストステロンを増やし、エストロゲンを減らす働きを持つ。

また、これらの成分は、女性ホルモンの代謝を促し、作用が強いエストロゲンをより作用の弱いエストロゲンへと転換し、体内の総女性ホルモンの最終的結果(作用)を弱める傾向がある。

アブラナ科植物の上記作用は、フィットネス界で頻繁に扱われるが、薬品のような顕著な効果はないと思われる為、少しでもその恩恵に預かるには、しっかりとした量や頻度を確保するべきだろう。これらの野菜は、抗がん作用や免疫賦活作用が高いと言われ、結果的にその習慣は、実践者の健康レベルを大きく高める事になるだろう。

40代以降は誰しもが多少のDNAエラーを抱え、また、環境的にもエラーが起きやすくなった現在、アブラナ科の野菜やニンジンなどを食べる習慣を持つ事は非常に適応的と言える。



2、フラックスシードオイルを利用する

フラックスシードオイルに含まれるリグナンは、非常に弱いエストロゲン様作用を持ち女性ホルモンが取り付くレセプターに取り付く作用を持つ。これを摂取することで、エストラジオールなどの作用が強い女性ホルモンがレセプターに取り付くのを抑制できるため、身体の最終的な女性ホルモンによる脂肪合成などの発現量を減らす効果が期待できる。

下乳や下腹部、太ももの脂肪が落ちにくいときに、フラックスシードオイルは有効とされるが、フラックスシードオイルは、そもそも、オメガ3脂肪酸の供給源なので、転換率こそ高くないが、その安全性の高さから、今日では貴重な存在である。

フラックスシードオイルもまた、アブラナ科の野菜と同様に健康増進やアレルギー緩和に役立つとされ、その習慣化は、長期的ライフクオリティに大きな差を生み出すと思われる。



3、T-JACKの利用

エストロゲンレベルを下げると自然な反応として、身体はその表裏一体の物質であるテストステロンの生産を増やそうとする。T-JACKはこの生理現象を利用する為に、女性ホルモンレベルを穏やかに下げるビテックスエキスを成分の一つに採用している。

明らかに女性ホルモン過多による体型を是正したい場合や下半身が絞りきれない場合において、テストステロンブースターを使用するならば、T-JACKを試してみる価値がある。

#9へ続く



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