サプマス店頭時代に、何回か勧誘に来ていた保険屋さんは、人はあまり死なないので、死亡保険に重きをおくべきではないと、よく言っていた。

保険はある意味、賭け事であり、胴元は膨大な量から抽出されたデータを元に、自分達が絶対に負けない商品を作り出している。

自分が早くに死亡する方に賭けることは悪くないが、確立は極めて低いので、あまり張り込み過ぎるなと言うことである。


児童総数3,000人の小学校→生徒数1,300人の中学校→生徒数1,500人強の高校と言う流れだったので、私の場合、常に500人前後の同級生に囲まれていたが、その中で5〜6年前までに亡くなったのは、病死と交通事故が各2名ずつ程度であった。これに2年ほど前、白血病での逝去が加わった。小3の時の友人である。白血病の確率は、2万人に1人程度だろうか?もちろん、それが死に至る確率はもっと低い。

交通事故や自殺以外で、老年に至るまでに病死する者は、経験的にも確率的にも僅かであり、それにすら明確な原因が存在したはずである。

ところが、30代、40代も、心臓や脳血管系の病気になるとか、隠れ心筋梗塞などと、メディアがはやし立てている。少し前なら、30代は勿論、40代なんて心不全にならないと言われていたではないか。

そして、登場したのがキラーストレスなる便利な言葉である。確かに体内で起こるストレス反応は心臓や脳を侵し、人を死に至らしめるかも知れない。急死した人の血液を調べれば、ストレス度合いの指標となるマーカーの上昇を確認できるだろう。

しかし、その反応の大元が必ずしも、現代社会が「提供」する心理的ストレスや原因不明のストレスではなく、物理的、化学反応的作用が強いストレス物質が増えたと言う考えに到達することはない。



我々の多くは、義務教育を含む6・3・3の12年で、「みんなが○○だから(あなたも○○)」と言う無意識の思考が身に染みてしまっており、「心不全や脳の病気が増えているってTVで言ってた」と聞かされれば、例え知人や隣人が倒れても、その根源を深く追求する能力を持たない。

例えメディアがのたまうストレス反応が急病の原因であっても、その根源やそれが作用するメカニズムは、厳然と存在し、それについて考えを巡らすことで、「流行の仲間入りを果たさないで済む」かも知れないのに。自分がアルゴリズムに従うだけのBOTではないと証明したいのであれば、便利な言葉を鵜呑みにせず、誰かが明確な目的と意図を持ってコントロールしようとしているのではないかと疑うべきである。

ともあれ、ストレス対策やテクニックは重要であることは変わりないが、何でも「魔法の言葉」のせいにすべきではない。

#3へ続く



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