Q:上腕二頭筋のストレッチ種目として、インクライン・ダンベル・カールを行っていますが、イマイチ・・・と言うか、全然効いている感じがしません。何とかならないでしょうか?

この話のメインは、肩甲骨の緊張を解いて、上腕二頭筋を伸ばしきってみましょうというという前編の内容です。

後編たる今回は、小技以下のコツといつも通りのオチになります。


精密なセッティングによるアダプト

通常、インクライン・ダンベル・カールは、アジャスタブルベンチの背もたれを45度くらいにセッティングして行われることが多いです。

ですが、骨格や筋肉の付着部位、腕の長さ等々の条件は、個人個人で微妙に異なり、それらの和、または績は標準から大きくずれることがあります。つまり、ほとんどの人がシックリ来る45度では、インクラインの旨味を感じることができない人もいる訳です。

従って、人によっては、20〜30度のライイングカール気味や70度の普通のカールに近い角度こそが、最も二頭筋をストレッチできる場合があるので、様々な角度を試してみると良いでしょう。



「スーパーセットによる可動域拡張の可能性」

インクラインカールの前に、二頭筋の拮抗筋である上腕三頭筋の種目を行うことで、インクラインカールにおけるストレッチ幅が増幅されて二頭筋に強い刺激がかかるかも知れません。

PNFの原理を利用するというと語弊があるかも知れませんが、二頭筋を強く収縮させる前に三頭筋を強く収縮させることで、インクラインカール時のボトムポジションにおいて、二頭筋がよりストレッチされる可能性があります。

関節可動域が広がることで、二頭筋にこれまでに味わったことのない痛みを与えることができるかも知れないのです。

具体的には、アジャスタブルベンチを占領(!)して、

A:ライイング・ダンベル・エクステンション 6〜8レップス
B:インクライン・ダンベル・カール 6〜12レップス

Aからスタートして、Aを終えたら直ぐにBに取りかかって1セット。1〜2分のインターバルを取って、3セット程度行います。



「いつものオチ」

インクライン・ダンベル・カールで、用いるダンベルを倍の重さにするくらい思い切って、重めのダンベルを使用します。

ストレッチ種目は、動作の正確さが大切ですが、あまりにそこに固執するために、しばしば軽めの重量が用いられることがあります。そうなると、強力なストレッチによって、サテライト細胞を刺激すると言う目的から離れ、あたかもダンベル健康体操のような刺激になってしまいがちです。

丁寧に行うことは大切ですが、筋肉に対して強いストレッチ感を与えるには、ダンベルの重みを利用する必要があり、それによって初動がきつくなるので、なるべく重ための重量を選択すべきです。

ヘビー&ストリクトを目指して、インクラインカールに取り組んでみて下さい。

その際は、手首を痛めないように、シークのグルーブで手首をホールドしておきましょう(宣伝)。



【関連】
インクラインカールが効かない!-前編
インクラインカールが効かない!-後編

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