【スクワットのみで、何故、上半身や上腕が発達したのか?-後編】

反証A
「成長因子分泌が起こっても局所的に限定される」


スクワットを行うことで、テストステロンの分泌が高まることが広く知られており、強度とインターバルによっては、成長ホルモンやそれに起因するIGF-1の分泌が増加する。また、筋破壊によって、各種サイトカインの分泌が起こる。

上記によって、筋肉の回復と発達を促す因子が増加したとしても、それは局所的なもので、サイトカインのように全身ではなく限定的に作用すると考えられるため、それらの影響が上半身まで及ぶとは考えがたい。


反証B
「テストステロン分泌増大量の問題」


スクワットによってテストステロン分泌が高まるが、ここで生じる増大量程度では、全身にプラスになることはない。



〜反証の反証〜

Aについて。
今日では、腕などで局所的に起こったホルモンやサイトカインなどの増加は、血流に乗って別の箇所へも影響を与えると考えられている。筋肉は様々なサイトカインを分泌するが、それらはサイトカインの定義と異なり、筋肉以外の組織に影響を及ぼすため、筋肉も内分泌器官と考えられるようになった

そのような視点で筋肉をとらえると、筋肉は巨大なホルモン分泌器官であり、人体で最も巨大な筋群の一つである脚の筋肉を強く刺激して破壊するスクワットは、様々な成長因子を多量に作り出し、それが血流に乗って上半身へと影響を与えても不思議ではない。


Bについて。
そもそも、トレーニング経験のある者や継続者の筋細胞上のアンドロゲンレセプターは増殖をおこし、一般人よりも活性化していると考えられる。実験のようにハードなスクワットを継続していた場合、下半身並びに全身の筋肉におけるテストステロン感受性は非常に高くなっているはずである。

したがって、このような体内環境下では、テストステロンレベルが高まっても、筋肉での利用率が高い為、正味の増加量よりも低く計測される可能性が高い。

また、例え反証通りの数値であったとしても、若干の上昇は間接的に、アンドロゲンレセプターの感受性を高めるため、長期的には全身の発達に寄与する可能性がある。



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