陸上番外編-リレー170m
#2「2015-スケジューリング&レース編」


〜前日の準備〜
元からの疲労とハムストリングスへのダメージが残っていたため、そして、グリコーゲンの温存の為にも練習はオフ。前日は充分に休みを取りたかったが、運動会準備の手伝いとリハーサルへの参加があり、当日も早朝から手伝いがあったので、睡眠時間の確保を優先した。

ただ、ハムストリングスのダメージが長く残っていたので、温泉だけは外さなかった。



〜当日の準備〜
早朝に家を出ないといけなかったので、朝食は脂っ気のある物を多めに食べた。学校での運動会の準備が一段落したので、一旦帰宅し、また少し食べた。

ドリンクは1.8リットルの水筒にクレアボルとC3Xハイパーを溶かした物を用意し、それを半日の飲料水とした。決勝に残った際、昼の弁当を控えめに食べるが、その消化を促すために、クリアと炭酸水を用意した。

レースの招集がかかる前から、準備運動を行った。熱心に準備運動を行うのは恥ずかしいのだが、元来の筋力の大きさからウォームアップを行っておかないと100%怪我をするので、パフォーマンスのためではなく怪我予防の為に仕方なく。

これまでの経験では、1回走っただけで体中のエネルギーが枯渇したので、決勝に残った場合に備え、アウトドア用の折りたたみサマーベッドを持ち込んだ。訓練されていた場合、60分で酸素負債返済とATP回復が見込めるため、消耗した場合は寝転がっておけば大丈夫だろう。



〜問題の発覚と大きな誤算〜
グラウンド1周160mと思い込んでいたら、170mあることが判明した。160mを想定した練習をしていたため、些か誤算が生じた。カーブやバトンパスでのもたつきを考慮しない理屈上では、160mなら20秒を切るという計算から、スタミナトレーニングとして25秒間走を行って来たので、問題はないと思われた。



〜予選〜
レースが始まり、特に緊張もせず、問題なくバトンを受け取る事ができた。ところが、受け取るや否や頬がせり上がり、満面の笑みになり、最初のカーブは抑え気味でストレートで力を解放するつもりだったのが、身体が言うことを聞かず、いきなり全力が出てしまった。

コースアウトしそうになるのを必死で抑えつつ、ストレートに入るも、力の加減を全くコントロールできず、力んだまま、最終コーナーへ突入。自分の地区のテントがある為、右手を振った。老人会の歓声が沸き上がる。今年のテントの数は4。1回、2回・・・3回目で肘しか挙がらなくなり、4回手を振ることができなかった。

これは一体、どういうことだろうか?

コースアウト気味にカーブを曲がり終え、バトンパスのためのテークオーバーゾーンへ。次の走者へは「絶対に追いつくから、思いっきりリードしてくれ!」と豪語していたのだが、何か様子がおかしい。頭よりも脚が遅れるのだ。

何故だ?しっかり、意識して命令を出しているのに、スピードは出ているのに、反応だけが遅い!と言うか、頭ははっきりしているのに、身体がもう反応してくれない。このままでは、脚が動かずにこけてしまう。何としてもこけるわけにはいかないので、身体を前傾させて重力と慣性を利用してバトンパスまで漕ぎつき、バトンを渡すことが出来たが、その直後に力尽きて転倒。

我がチームは、特に抜きつ抜かれつという展開はなかったのだが、結果的に決勝へ進出した。



〜問題の分析〜
レース直後は気づかなかったが、ゴール間際で完全に燃料切れになったようだ。昨年は余裕だったし、今年は25秒間走を行っていたのに何故か。それはスタミナ練習の為のスタミナ練習だったため、100%全力の25秒ではなかったから。もう一つは、160mの全力走を行っていたが普段の「全力のつもり」よりも、大きな力が出たため。

そして、走る距離は160mでもなく170mでもなかったため。テークオーバーゾーンのことをスッカリ忘れて、それを想定した対策をして来なかったことに初めて気がついた。バトンパス前後の走りを入れると、180m以上走ることになるのだ。

想定距離、全力の読み誤りによって、スタミナ対策と軽量化を施していたにも関わらず、完全なガス欠に陥ったのだ。ただ、全身全力でエネルギーを出し切って身体が動かなくなると言うのは中々体験しがたく気持ちの良い現象だった。



〜決勝〜
と言う事で、決勝ではコンパクトできれいな走りを目標にした。もっとも、予選を見た人に言わせれば、「最もストライドが大きく、最も綺麗なフォームだった」そうだが、自分ではゴリゴリに力んでいたので、「軽やか爽やか」をイメージするように心がけた。

軽快な走りを目指して走り、やや力みが抜けたせいか、またもスタミナ配分を考えずに全力全開で走ってしまったにもかかわらず、スタミナ切れを起こすことはなかった。しかも、後で動画を確認したら、決勝の方が大幅にタイムが良かった。

#9へ続く



Ex:
準備力という言霊
フィジカル勝負の時代に「とにかくスタミナが必要:スタミナトレーニング編
フィジカル勝負の時代に「走り込みの重要性について
松岡選手の空手コラム「空手のためのスタミナトレーニング

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