ホビー自然養鶏から考える実践栄養学-前編

〜イントロダクション〜
03252015年8月28日(金)、春に購入した鶏の雛達が成鳥となって、次々に卵を産み始めた。3月24日(火)生まれなので、生後5ヶ月で産み出したことになる。前回の鶏は、初産みまで6ヶ月〜7ヶ月かかっていたので、平均では1ヶ月以上、今回組は産み始めが早い。

生育環境から餌まで自然に準じて育てる半放牧の自然養鶏においては、異常なまでの生産性を求めていないので早く産めば産むほど良いと言うものではなく、孵化後、6ヶ月以降に産み始めるのが理想とされる。身体が小さく未成熟なまま多大なエネルギーを要する産卵を開始するより、身体が充分に大きく育ってから産み始めた方が鶏への負担が少ないからだ。その差は、卵の質と大きさを左右すると考えられる。

今期の鶏達は、時に限って言えば理想よりも早く産み始めた事になり、それに関してはこちらの意図したものではなかった。しかしながら、身体は前回組の先輩達よりも立派であり、そうなったのには理由と仕掛けが存在する。

この話では、このような結果に至った理由を分析してみたい。


〜ホビー自然養鶏における給餌〜

できるだけ自然に近い餌と供給環境を目指すべきではあるが、あくまでも少ない余剰時間の中での隙間時間で、自分達が消費する分だけを細々と生産することが第一なので、完全なる自然餌や環境は求めない。小魚やトウモロコシを微粉化した濃厚な飼料を使用せず、金銭的にも労力的にも負担にならないように、一家の消費過程で必然的に発生する野菜クズや残飯、米ぬか、素朴な穀類、虫、貝殻などを主体とした餌を与える。

魚粉を使用しない給餌であっても、できるだけ鶏を立派にし、卵の質を高めるために餌の主軸を4種に置く。主なカロリー源である雑穀。タンパク源と乳酸菌源である米ぬかとおからブレンド。残飯。雑草である。これらを毎日、ほぼ滞りなくバランス良く配分することで、高栄養食でなくても、病気知らずの鶏を育てることができる。



〜後発組を育てる〜

後から購入したヒヨコは、先輩達の鶏舎にいきなり入れることはできない。食い殺されてしまうからだ。3ヶ月ほど経過して多少大きくなってからでも、体格差は一目瞭然で、あっと言う間にケツの毛までむしられてしまうだろう。

最も安全に同じ鶏小屋で飼うには、6ヶ月以上飼育して、体格が同等になってからが良いだろう。体格が先輩よりも大きければ尚良い。

と言う事で、先輩達に食べられてしまわないよう、いじめ抜かれて死んでしまわないように、後発組の身体が大きくならないものかと、餌の配合を色々と考えたのが事の始まりであった。ただし、微粉化された濃厚飼料や高いコストを投入するのではなく、ホビー自然養鶏のコンセプトに沿った主軸の4種類を基本にしつつ、工夫を凝らすのである。

#2へ続く



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