Q:ウエイトトレーニングを開始して5年、背中の幅がかなり広くなったと自分では思えますが、厚みがイマイチのような気がします。ジムのトレーナーに相談したところ、ロウイング種目を勧められました。ですが、私は腰痛持ちなので、ロウイング種目ができません。一体どうしたら良いでしょうか?

背中の幅にはチンニングやプルダウンなどの「プル系」、背中の厚みにはバーベルロウなどの「ロウ系」が良いと、トレーニーの間では古くから信じられています。ですが、チンニングなどのプル系を加重や角度、手幅等々を色々と組み合わせてやり込む・・・本当に「やり込む」のであれば、プル系でも十分な厚みが得られるはずです。

腰痛によって、ロウイングをできないならできないなりに、他の種目で工夫と強度を徹底することが重要になりますが、それでもロウイングに挑戦したい人の為に、腰に問題があっても行い易いロウイング種目を考えてみたいと思います。


「角度の調節による腰への負担軽減」
〜ドリアンロウの採用〜


腰を曲げてウエイトを持ち上げる動作、上体を前傾させて骨盤前面へウエイトを引く動作は、腰に問題がある人にとって痛みを発生させる原因になりますが、ウエイトの軌道や上半身の角度を調節することで、腰への直接的な負担を軽減します。

通常のバーベルロウは上体を90度近く曲げてウエイトを引きますが、これを上体を少し起こした状態で行います。

上体を立てたドリアンロウは、上半身を45度〜70度の傾斜に保って行うので、腰への負担が軽減されます。極端には30度であっても構いません。バーベルロウが「申し訳ございませんでした」の角度であるなら、腰が痛い人のロウは「近所の人に会釈する程度」の角度であっても良いのです。

と言う訳で、腰が痛くならない上半身の角度とバーベルの軌道を研究してみましょう。




「ワンハンドによる軌道変更」
〜ダンベルロウの採用〜


ダンベルでロウイングを片方ずつ行うことで、腰へ負担がかからない軌道を探します。同時に上半身の角度も合わせて最適化します。

この二つのポイントをピッタリと組み合わせることで、痛みや問題が起こりにくいロウイングを高強度で行うことが出来ます。



上記二つの手法は、角度と軌道を最適化することで腰への負担を減らしますが、それが可能なのは獲物がフリーウエイトだからなのです。一見、腰への負担がきつそうで、腰に問題がある人には敬遠されがちなフリーウエイトこそが、実の所、怪我をし難い種目になり得るだけでなく、背中の発達に最も役立つ手段になるのです。

さて、次回の後編は、サプリ塾らしい「逆に考えるんだ!」という今回とは180度異なるアプローチを紹介します。

後編へ続く



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