リハビリ日記番外編
曇り時々公園トレ-9
「下半身-応用編2」


公園トレにおいても、スクワットやランジは重要な種目になるが、スプリントにはそれらをサブ種目へ回してメイン種目として据えるべきメリットが多い。

スプリントのメリット4:全身連動性

ウエイトレーニングの現場において、ビッグ3などの複合種目やクリーンなどのパワー種目は、全身連動性が高いとされ、全身の筋力強化と共にウエイトトレーニングによって得られた筋力を競技パフォーマンスへフィードバックさせる一石二鳥の手段として行われることが多い。

また、拮抗筋トレーニングは、拮抗する筋肉のアンバランスを解消し、実践的な筋肉作りに役立つと信じられている。

確かに、これらは正しくはあり、言葉の額面に近い結果は得られるだろう。しかし、全力で走ってみれば、全身の連動性とその連続性と言う意味が本当に理解できる。それほどに、全力で走るという行為は、単純でありながら意外にも高度なのだ。この為、しばらく走る行為から遠ざかっていた人は、「全身に全力を出させ、維持する」作業に四苦八苦した後、全身連動性の快感に目覚めるだろう。

走るという動作は、あらゆる競技の基本となるので、スプリントを定期的に行うことで、パフォーマンス向上だけでなく、現在のステイタスが間違っていないかどうかという確認もできる。



スプリントのメリット5:代謝刺激

最も体脂肪が落ちるのが早い運動は何か?多くの運動エキスパートは、スプリントと答えるだろう。全身を高い強度で刺激するスプリントは、最も代謝刺激が高く、運動後の安静時消費カロリーを大幅に増やすからだ。

しかし、この高強度の全身運動による大幅な代謝アップは、計画的にコントロールされたインターバルで行われるのが望ましい。つまり、高強度ではあるが、ショートインターバルで行う必要あり、走る本数もある程度のボリュームが必要なのである。このハードな構成によって、後の代謝アップだけでなく、アナボリックホルモンの劇的な分泌による体組成の改善も大いに期待できるのだ。

体脂肪燃焼が第一の場合は、本数やインターバルもきつめになるが、単純に100mを全力で出力できた場合、それだけでも相当なエネルギーを消費する上、身体の破壊も起こるため、初めのうちは100m数本を充分なインターバルで行うだけで良いだろう。



スプリントのメリット6:エネルギー系強化

スプリントのエネルギー源は、CP系と思われがちである。確かにその通りで30mや50mでは特にその傾向が強いが、解糖系も激しく導引される。そして、もしも全身を全力で出力できた場合、100mであれば酸化系まで導引されるそうだ。

つまり、練度に由来する強度に依存するが、全てのエネルギー供給経路を刺激する為、結果的にはATP再合成能力向上やインターバルの設定如何では耐乳酸性能力向上のトレーニングとしても役立つだろう。



ビッグ3よりもきつい一面がある為、やや取っつきにくいイメージがあるが、何も最初からハイインシティトレーニングの原則に従う必要は全く無い。最初の数ヶ月は、ただ数本走ってみるだけで良い。そもそも、全出力させること自体が難しく、もしも、それが達成されたのであれば、たった週/数本のスプリントでも、身体は正直に答えてくれるからだ。

#10へ続く



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