Q:ジムに通っていますが、古株の先輩方のアドバイスが人によって大きく異なる為、どちらが正しいか時々混乱します。いずれの先輩も、それぞれに立派なフィジークをしておられるので、どちらのアドバイスも間違っていないような気がするのです。

大胸筋編-Part.1
「ベンチにおけるグリップの幅」-番外編


大胸筋を発達させたい場合、ワイドグリップにかミドルグリップか迷うところですが、身体に対する腕の長さの比率で判断してみるという方法があると言うのが前回までの話でした。

番外編の今回は、ベンチプレスには目もくれずにジムの片隅で黙々とダンベルに取り組む、やもすればいじけているようにも見えるC先輩に着目してみましょう。



C先輩はベンチプレスはおろか、マシンプレスさえも行っている姿を見たことがありません。

しかしながら、腕の見た目に比べて、大胸筋はかなりボリューミーに発達しているではないですか!これは一体、どういうことなのでしょうか?

この現象は、一見、秘訣がダンベルにあるように思えますが、実の所、その人に最適であろう種目を採用していたと言う結果の現れなのです。



つまり、単純にC先輩はプレス系で胸を非常にヒットしにくい手長星人だったわけです。「腕が比較的長い」と言う程度であれば、グリップの幅やプレスマシンの機種とセッティングを工夫することで、大胸筋を十分に刺激することができます。

ですが、腕が明らかに長い人や関節構造的に捻れが大きい人は、プレス種目で目的の刺激を得られないことが多いのです。

マシンやスミスであれば軌道が固定され、ある程度軌道の自由が利くベンチプレスも動作中のグリップは固定されますが、動作中の軌道やグリップの変更が自由なダンベルであれば、最も大胸筋を刺激できるポイントを通過させられます。

C先輩の結果は、自分の体型を見極めた上で、最適な種目を選択しただけで手に入ったものではありません。最適であろう種目を選択し、その種目の特性を100%活かした軌道や負荷のかけ方を発見したからです。



と言う訳で、もしも、グリップ幅云々のみで、悩みが解決しない場合は、今回のような

・体型に合わせた手段自体の思い切った変更
・手段を選択するだけでなく、理解して活用する

と言った視点で考えてみると良いかも知れません。手長星人であれば、時にA先輩のアドバイスもB先輩のアドバイスもガン無視になってしまうこともあるかも知れません。

#4へ続く



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