居残り補習授業オフライン#27 
「トレ小話-背中編-4」のB面-中編


背中の幅を強化するには、プルダウンやチンニングにおいて、ワイドグリップを採用するのが良いというのが一般的に広く信じられている。

確かにそうかも知れない。

プルの動作において、手幅を狭めれば狭めるほど、上腕二頭筋の関与が大きくなる。二頭筋の関与が少ない方が広背筋の利用率は高くなるだろう。



しかし、いくつか念頭に置かねばならないポイントがある。

・個々のリーチ
・関節の個人差
・上二つから発生する支点と作用点の個人差
・可動域や関節柔軟性
・etc

これらによって、動作自体はほとんど同じであったとしても、その動作を遂行する筋肉が大きく異なるケースが発生する。つまり、ワイドプルの動作において、個人個人の骨格の違いによって、動作に関与する筋肉が異なる場合があるのだ。



また、例えターゲットの筋肉をピンポイントで正確に刺激できたとしても、その絶対的な強度が低ければ、大きなインプルーブには繋がらない。

つまり、ワイドグリップのプルダウンやチンニングで正確無比に広背筋を刺激できたとしても、強度が低ければ見た目的な大きな変革を身体に起こすことはできないのだ。

一般的にミドルやナローグリップ、アンダーハンドグリップのチンニングやプルダウンは、二頭筋の関与が大きくなるため、広背筋のみをヒットするには適さないと思われがちである。しかし、その反面、二頭筋が動員されることでより重たい重量を引くことができることを忘れてはならない。

使用重量が増えれば、トータルでの広背筋への刺激とダメージが大きくなり、ネガティブムーブメントでのコントロールが上達すれば、広背筋のみを狙って一番美味しいネガティブの負荷を与えることが出来るだろう。



これらの観点から考えると、背中の幅を強化したい場合、必ずしも教本が説くワイドグリップを頑なに護り通す必要は無い。

各々の骨格やリーチに応じたグリップ・・・「最もシックリ来る」、「最もキモチイイ」グリップで行う方が結果を得るには近道になるだろう。

ワイドでもミドルでもナローでも良い。順手でも逆手でも良いのだ。

後編へ続く



【Ex】
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