7月×日

とあるレストランの前で、子供と二人でワイフを待っていたら、車中で下の子を着替えさせていたワイフが悲壮な顔で走ってきた。

車の中の幼子が車のキーかコントロールパネルで、集中ドアロックをかけてしまい、鍵ごと車中に閉じ込められてしまったそうだ。

駐車場まで戻ると、確かに車内でドアを叩いて泣いている2歳児がいた。

どうしよう、どうしようとパニックになるワイフは、ひとまず、お店にキャンセルと助けを求めに向かった。

マスターは、とりあえず閉じ込められた記念の写真を撮った。

何故に慌てなかったかというと、クリア条件が決まっていたからだ。

その条件とは、彼の生死ではない。精子である。

車内温度が上昇して子供の生殖細胞や脳細胞に影響を与え出す前に、解放しないといけない訳だ。つまり、鍵師なり、JAFなりが到着するまでに車内温度が上がってしまった場合は、車を壊してドアを開ければ良い。



今回のケースは、優先順位やクリア条件が確定していたために、何か難しいことや特殊な方法を考える必要はないので、混乱が起こらなかった。

一通り記念撮影を終えた後、マスターは車内で「開けてー!」とドアを叩いている幼児にジェスチャーを交えながらニコニコと語りかけた。

「鍵のボタンをピッ!て押すか、ドアの鍵をカチャ!ってやってみ?」

2歳になったばかりだが、何とかなるだろう。数十秒後に彼は、ドアのロックを外すことに成功し、我々は食事にありつけた。



「野外イベントの季節です」

(これを書いている季節は)水辺の事故が起こりやすい夏なので、それに関する話をひとつこしらえました。

事故はなるべく未然に防ぎつつ、それでも起こる物として起きた際のダメージを減らす努力をしておくのが第一でしょう。

第二に、事故に遭ってしまった時、その渦中にある時に重要になるのがパニックにならずに冷静に対処すると言うことでしょう。

そして、何よりも先に、自然に対して謙虚になることを忘れず、駄目なときは駄目なので始めから覚悟を決めて参加することが重要だと考えます。

それでは、「俺はこんな冒険から生還した」という単なる男の自慢話になりますが、何かの足しになるかも知れないので、紹介します。

本編へ続く



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