「ミクロレベルにおける運動の有効性」-後編

今日では、レジスタンストレーニングなどの筋収縮によって、筋線維がインターロイキン-6というホルモン様物質を分泌することが知られています。

インターロイキン-6は、収縮を繰り返した筋線維のみならず、血中に到達したそれが血管壁に対して抗炎症作用を発揮することから、筋肉自体が内分泌器官と捉えることができます。

レジスタンストレーニング等は、その行為が第一にカロリーを消費し、次に副次的に代謝率を高めるという解りやすい有用性を持ちますが、インターロイキン-6などのレベルを高めると言うミクロの視点で観察しても非常に有用であることがわかります。


〜インターロイキン-6から観た運動の有用性〜

インターロイキン-6は抗炎症作用以外にも様々な健康増進効果を持ちますが、中でもトレーニーにとって関係が深いのが、脂肪分解作用と神経細胞のアポトーシス阻害作用でしょう。

基本的にインターロイキン-6は、運動などで使用した筋肉から分泌されるので、局所的に濃度が高まります。と言うことは、頻繁に使用した筋肉の周辺にある脂肪細胞が最も影響を受けやすい可能性があり、部分やせの可能性や良く動く部分に脂肪がつかないことの一因となるでしょう。

また、加齢と共に筋力が衰えるのは、予めプログラミングされた運命ですが、運動を行うことで筋力の衰えに大幅なブレーキがかかるのは、運動によるインターロイキン-6レベルの上昇が神経細胞の自殺を食止めることが一因となっているはずです。



短期の数値には表れにくいかも知れませんが、インターロイキン-6は脂肪燃焼に関与しているので、運動によるその分泌の定期的な誘因は、長期的には無視できない影響力を持っていると思われます。

そして、何よりも直接的にインターロイキン-6を分泌する筋肉が身体に占める割合が高いので、健康維持や身体の向上の為に運動によってこの莫大な内分泌器官を刺激する価値があり、そのレベルが十二分に高まれば血流に乗って他の部位も恩恵に預かることができることでしょう。

参考文献:究極のトレーニング

#15へ続く



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