「中臀筋を鍛えましょう♪-後編」

「フルパワー100%中の100%」と言う言葉がある(?)ように、全身の筋力を全て発揮することやそのベクトルを束ねる事は、思ったよりも難しいものである。

スプリントもまた然り。

走るという動作は単純なようでいて、持てる筋力を遍く発揮させて速さに変換するには、訓練や補強の補強が必要になる。走りに限らず筋量増加が即、パフォーマンスアップにつながらないことは多い。

そのような条件の中で練習を重ねると、ある時、非常に良い走りが出来ることがある。

限界近くまで脚力を引出して、それを余すことなく前方への加速へ転化できているような感覚が得られるのだ。

このような会心の一本を走った数時間後、あることに気付かされる。

中臀筋が痛くなるのだ。



良い走りが出来た時は、中臀筋にダメージ由来であろう遅発性の筋肉痛が発生する。

サッカーのように加速しながら左右に激しく振れる競技ならまだしも、直線運動においてあまり使用頻度や重要性が高くないと思われた中臀筋が何故ダメージを受けるのか?

大腿骨の付け根に手を置いて、歩いてみて欲しい。

どうだろう。

中臀筋に覆われた付け根は、左右にクネクネと揺らいでいるのが文字通り手に取るように解るだろう。ただ、そもそも男であれば、わざわざ自分に触れて確認しなくても、ついついタイトスカートの尻を眼で追ってしまうという本能的行動によって既に経験しているはずなのだが。



大腿骨は付け根を回転軸にして、機関車のロッドのように進行方向に対して前後に回転しているように思えて、実はその付け根は進行方向に対して左右に大きく振れる複雑な動きをしているのだ。

良い走りが出来た時はその分、脚部の先端部のみならず、その付け根にも大きな力が発生している為、大腿骨基部の左右の振れを制御する中臀筋への負担は急増することになる。

大きな力を発生させる筋量を得て、そして、その力をフルに発揮できた場合、その力をコントロールするための補助筋群もダメージを受けるので、怪我防止の為にもコーディネイション向上のためにも、それらの筋肉の強化を怠ってはならない。

・・・ま、少しお堅い内容になってしまったけど、そもそも今回の話は、自分では中臀筋に自信があったけど、スプリントによって見事に打ち砕かれた経験が発端な訳。

#11へ続く



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