人間という生き物をやっていると、白黒の答えのないことに対してアレコレ考えたり悩んだりするものです。

極端な例では、性に関する問題。

性染色体の組合わせがXYであれば男で、XXであれば女なのか?

しかし、XYYやXXY、XXX、XXYYなどの組合わせの染色体を持つ人はどうなるのでしょうか?

その人の脳の構造や意識、心が性を決めるのでしょうか?

全くもって難しい問題ですが、自然界を見渡すと「そんなの関係ねぇ!」、「ヤリたいようにヤルだけだ♂」と相手にもされないような現実があります。

例えば、あるベラの一種は、メスがオスに性転換するのです。

もちろん、人間のそれとは違い内分泌的構造的にオスになるので、オスとしての生殖能力を有します。体が小さい内はメスとして、後に競争に耐えうるほど体が大きくなり得たらオスへ変化するのです。

これは機能的に変化するだけでなく、選ぶ側から選ばれる側、そして競争する側へと繁殖戦略も180度変化することになります。当然、戦略コンセプトが異なるので、行動、すなわち動物における性格も変わる訳です。

人間からすればドラマチックな現象のそのスイッチは、身体を普通のオス並に大きくできるかどうかという周囲の環境になります。そして、性転換の有無は環境が決定するようですが、システムそのものはその個体のために存在するのです。



また、木の枝に擬態する植物のようなルックスを持つ昆虫のナナフシに関しては、有性生殖と無性生殖の二択ができるそうです。

自分のクローンを自分自身で産むことができるなんて、外見だけでなく生殖までも植物に似ているとも言えるでしょう。

詳しい解説は割愛しますが、この場合の繁殖戦略の選択も周囲の環境が決定します。



サプリ塾では、常々、

意志の力が大切
・意識性を高めよう! #1 #2

なんてのたまっております。



この手の話を唱える大前提として、意識や自我は自分の内面からわき起こる自己固有の産物としているはずです。

自己とは何か?
意志や心の発生源は脳機能の賜か?

誰もが大人になってからも学生時代のように、そのような物思いにふけることがあると思います。

しかし、意識や心が自分自身の産物であると断定するのは少々傲慢であると言うことをまたしても自然界から学ぶことができるのです。

後編へ続く



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