「マッスルメモリーとミオスタチン」

マッスルメモリーの根幹を成すと考えられているのが主に

・筋線維の増殖
・筋線維内の核の増殖

のふたつです。



これらの増殖には、筋線維上に存在するサテライト細胞が関わっていると考えられています。トレーニングなどの刺激によって、サテライト細胞が増殖、分裂することで、筋線維や細胞核を増やすようです。

つまり、筋肥大を考える際にも、マッスルメモリーを語る際にもこの筋サテライト細胞は欠かせない存在なのです。

成長因子GDF-8はミオスタチンと呼ばれ、筋肉の成長を抑制するホルモン様物質です。

ミオスタチンは、筋サテライト細胞の分裂、増殖を阻害することで、筋肥大や筋線維の増殖を抑制します。事実、先天的、あるいは人為的にミオスタチンの働きが阻害されている場合、破格の筋肥大が起こることが確認されています。

ミオスタチンの働きは、筋肉の成長にとってはマイナスになりますが、トレーニングによってその発現が阻害されるそうです。

ミオスタチンの働きが阻害されるからこそ筋肥大が起こるのでしょうが、そのミオスタチンの生成を抑えるのが高強度のレジスタンストレーニングであることが人間の筋細胞でも確認されています。



高強度のトレーニングが筋線維の増殖やサテライト細胞の分裂を刺激することが知られていますが、元を辿るとそれがミオスタチンの生成を抑えるからこその作用なのかも知れません。

結局は、マッスルメモリーを語る場合やそれを欲する場合、「高強度」がキーワードになるようです。

マッスルメモリー Part.6へ続く



【Ex】
残る筋肉?残らない筋肉?筋肉に記憶されるトレーニングアプローチ

【関連】
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マッスルメモリー Part.4
マッスルメモリー Part.5
マッスルメモリー Part.6