イントロダクション-後編

1セット法が正しいかどうか、良いか悪いかという話は、今回の話とは関係が無いので割愛させて頂きます。

では、効果的か否かという視点以外で1セット法を考えてみると、トレーニング時間が非常に短いという大きな特徴に気がつきます。

さて、このトレーニング時間が短いという特徴は、一体、誰にとってのメリットになるでしょうか?

1セット法でトレーニングを実行する側は、トレーニング時間が短く済めば、時間を節約できるので、一見得したようにも思えます。しかし、それは結果から判断しないと分からないので、一概に利があるとは言えません。

一方、ジムの運営側は、利用者のトレーニング時間が短くなれば、それだけ利用者の回転を良くすることができます。

施設内の循環が良ければ、多くの人が利用しても渋滞や停滞が起こりにくいので、利用者の満足度を下げる心配が少なくなります。つまり、普通の単純な会員増は不快指数を増やしますが、この方法ならば満足度を満たしたまま売上げに直結する会員数を増やすことができるのです。



1セット法に関しては、トレーニング愛好家の間では侃々諤々と議論が交わされることしばしばですが、実のところその源流はジム運営側の都合から発生したものなのです。

アーサー博士が開発した特殊なカムを持つマシンとそれを用いて行う1セット法を導入すれば、利用者のジム滞在時間を大幅に短縮することができ、会員数のキャパシティを広げることが可能になるというシステムです。

つまり、1セット法は特殊マシンのセールスから産まれた方法論と言えなくもありません。



さて、この話から解ることは、1セット法が悪いといった話ではなく、運動効果があるなしに関わらず、利用者側にとっても運営側にとっても、ジム内がスムーズに回転することが非常に重要となります。

目に余る混雑や器具の順番待ちは、利用者とジム側双方にとって由々しき自体であり、1セット法の発明から数十年過ぎた今でも最重要課題と言えるでしょう。

本編の#1へ続く



【Ex】
ジム満足度云々の話

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