マッスルメモリー云々の前に、トレーニングを長年続けることで時に開始前の倍くらいの発達を遂げる筋肉そのものが不思議です。

もちろん、トレーニング・栄養補給・休養が三位一体となって結果が出た場合の話ですが、何で大きく発達するんでしょうか?

その理由自体がマッスルメモリーと深く関わっているのです。

まず、細胞核が限られる細胞の大きさには限界があると言われていますが、巨大な細胞である筋線維は複数の核を持つ多核体で、多くの核を持つが故に肥大し、その核の数が増えることで限界を超えて大きくなると考えられています。

次に穏やかながら筋線維そのものが増殖することで、筋肥大を引き起こすとも考えられています。



現在人間の筋線維に関しては、

・細胞核の増殖が起こり、一旦増えた細胞核は減らない
・筋線維の増殖が起こり、一旦増えた筋線維は減らない

このように考えられており、この現象こそが筋肉の不思議な発達とマッスルメモリーのメカニズムの一端を担っているとされています。



トレーニング経験によって、細胞容積の容量を広げる細胞核の数が増え、そしてトレーニングをやめてもそれが減らないのであれば、トレーニングを復帰してからの筋肥大はスムーズになるはずです。

同様にトレーニング経験によって、筋線維自体の増殖が起これば、トレーニングをやめて筋肉が萎んでも、再開さえすれば元となる筋線維が多い方が早く筋肥大するはずです。

ある程度のトレーニング経験者が比較的長期間トレーニングをやめていても、トレーニングを再開すれば、データをロードした如くあっと言う間に元の身体を取り戻せるというマッスルメモリー現象は、上の二つ(恐らくどちらか一方ではなく両方)によって説明がつきます。

マッスルメモリーは、非科学的な単なる経験談ではなく、トレーニング経験によって筋線維と細胞核の増殖が起こることで引き起こされる現実的な現象なのです。

マッスルメモリーPart.5へ続く



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マッスルメモリー Part.1
マッスルメモリー Part.2
マッスルメモリー Part.3
マッスルメモリー Part.4
マッスルメモリーPart.5