Q:現在では、EAAをトレーニング前に摂取するとトレーニング後の筋合成が飛躍的に高まるという研究結果から、トレーニング前はハイパードライブやアミパなどのEAA系サプリを摂取するのがベストと言われています。

一方、BCAAはトレーニング最中の摂取が良いとされています。研究通りEAAの筋合成作用が高いのであれば、トレーニング中もEAAの方が良いのではないでしょうか?



前回では、運動中のBCAA補給はエネルギー源を増強する他にスタミナ向上などのパフォーマンスアップ効果があることを説明しました。これだけでも運動中の栄養補給のパートナーとしてBCAAを選ぶのに十分な理由になりますが、今回は別の面も見てみましょう。

応用編-2「色々編」

4、体脂肪利用率を高める


BCAAの摂取は運動中の体脂肪の利用率を高めます。

ほとんどの運動においてメインのエネルギー源はグリコーゲンですが、それが枯渇してくると身体は強度に応じて体脂肪を利用し始めます。BCAA摂取による血中BCAA濃度の上昇は、それがシグナルとなって体脂肪の利用が開始されるようです。つまり、BCAAを摂取して血中BCAAレベルを高めることで、グリコーゲンの消費を起こさなくても体脂肪が利用されやすくなるのです。

運動中における体脂肪利用率や利用量の向上は、結果的に利用可能なエネルギー源を増やしてスタミナを増強するだけでなく、グリコーゲンを温存できるので質の高い練習のみならず、ラストスパートの持続力向上などのパフォーマンスアップ効果があるので、体脂肪を減らしたい人以外にも重要な要素となります。



5、遅発性筋肉痛を予防

ある程度の用量のBCAA摂取は、遅発性筋肉痛を軽減します。

素人考えでは筋肉痛が減ってしまったら、トレーニング効果も減ってしまうと思ってしまいがちですが、物理的に十分な刺激を筋肉へ与えていれば、例え筋肉痛が皆無でも超回復は起こります。

あまりに酷い筋肉痛は、日常生活に支障をきたすだけでなく他の部位のトレーニングにも悪影響を及ぼすします。

BCAAの摂取は、筋肉痛をゼロにはしませんが、軽減してくれるので筋肉痛が日常生活や練習の足枷になることはないでしょう。



6、筋合成を高める

BCAAの摂取は直接的に筋合成を高めます。今日では、これは構成成分のロイシンによるものと考えられています。トレーニング中のBCAAの摂取はトレーニング直後の筋合成・筋分解バランスを改善して、筋合成が上回っている理想的な体内環境へ導いてくれます。

また、摂取量や摂取タイミングにもよりますが、BCAAの摂取はテストステロンの低下を防ぎます。

通常、ハードにトレーニングを行うとテストステロンレベルは低下してしまいます。ところがBCAAの摂取によって、運動後のテストステロンレベルの低下が起きずに高いレベルが維持されるそうです。

当然ながらテストステロンレベルの低下が起きなければ、筋合成が高まります。



以上、挙げればキリがないくらいBCAAは独自の身体作りに有益な特徴を持つため、運動中に摂取するのに最も適した栄養素のひとつと言えます。

その際の注意点としては、「運動中にBCAAさえ摂取すれば安心」という二元的ロジックにはまってしまうことです。アミノ何とかなどのBCAAを気持ち程度しか含まないドリンクを飲むだけで満足してはいけません。

大切なのは、運動強度や時間に基づいた用量設定を行うことです。この辺りの匙加減やベストレシピはこちらを参考にしつつ各自で研究してみて下さい。



もちろん、必須アミノ酸を広く浅く揃えたEAAにもBCAAが含まれるので、顕著ではないにせよコレまで紹介したBCAAの利点をある程度は得られるはずです。

理論や代謝の観点から考えれば、トレーニング最中の栄養補給にはBCAAの方が適しますが、EAAがダメというわけではありませんので、好みや好奇心に従ってトレーニング中にEAAを使ってみても良いと思います。

おちまぃ

#43へ続く



【Ex】
究極のBCAA「C3X-SC
質実剛健なBCAA
バランス型EAA「アミノパウダー
高付加価値型EAA「ハイパードライブ

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