時短トレ鉄則8
「有酸素運動をやめる-後編」


有酸素運動によって、心肺機能や毛細血管が強化されれば、身体作りに関してプラスになることは明かなので、できれば筋トレと合せてバランス良く行いたいものです。

しかし、その両方に割く時間がない場合は、その独特の有益性から有酸素運動よりもウエイトトレーニングを優先するのが良いというのが前回の話でした。

今回は、別の視点から考えてみましょう。

「有酸素とウエイトとどちらの優先順位が高いか?-2」

運動を行うほとんどの人は、運動によって体脂肪を減らしたいか、体脂肪が増えないようにしたいと思っていることでしょう。

そして、一般的には体脂肪を減らすあるいは体脂肪を増やさないようにするには、有酸素運動が一番良いと思っているようです。



確かに有酸素運動はエネルギー源として、体脂肪を利用します。

しかし、その利用率はかなりシステマティカルに心拍数を管理したとしても、総消費カロリーの50%が関の山となります。

時間をタップリ費やして280kcal消費しても、最大限に見積もってその内の半分である140kcalが体脂肪由来で、質量に換算するとせいぜい20g程度の体脂肪にしかなりません。

厳密なカロリー管理の下、全く体脂肪が増加しなかったと仮定しても、上の運動を50日間続けないと1kgの体脂肪が減らないという計算となります。

永遠に安定したジャブを放つことが可能であれば、このプランも現実的ではありますが、普通の食生活ではついついオーバーカロリーになりがちで、現実的にも毎日の長時間の有酸素運動は継続しがたいはずです。



一方、ウエイトトレーニング時のメインエネルギーは、筋中グリコーゲンとクレアチンリン酸系なので、一見しただけでは脂肪燃焼と関係があるように思えません。

ところが、ウエイトトレーニングによって破壊された筋肉の再構築には莫大なカロリーを必要とします。ウエイトトレーニングを終えてから何十時間も身体の代謝が昂進するのです。

ウエイトレーニング自体もカロリーを消費しますが、ウエイトトレーニングに端を発する代謝上昇によるカロリー消費は非常に大きな物となります。

また、ウエイトトレーニング後、安静時代謝の上昇は数日続きますが、何を隠そう安静時代謝のエネルギー源は70%以上が体脂肪由来と言われているのです。

つまり、ウエイトトレーニングは行為そのもののカロリー源は体脂肪ではない代わりに、その後のオマケで付いてくるカロリー消費は体脂肪由来なのです。



これらの点から時間がタップリ有り余っている場合は、体脂肪燃焼のために有酸素運動に時間を割いても良いですが、無い場合はウエイトトレーニングだけに留めても意外に体脂肪の利用率は高いので、どちらか一方しか選べない場合はウエイトトレーニングにしてみるのが良いでしょう。

応用編の#19へ続く



【Ex】
ヤングサプリマスターのトレ講座-第2回「体脂肪を減らすには?」
いつやる?有酸素運動 その1
いつやる?有酸素運動 その2

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