Q:現在では、EAAをトレーニング前に摂取するとトレーニング後の筋合成が飛躍的に高まるという研究結果から、トレーニング前はハイパードライブやアミパなどのEAA系サプリを摂取するのがベストと言われています。

一方、BCAAはトレーニング最中の摂取が良いとされています。研究通りEAAの筋合成作用が高いのであれば、トレーニング中もEAAの方が良いのではないでしょうか?



薬やサプリを選択する際、科学的裏付けとして臨床試験は選択基準の一要素となります。

ですが、薬にしてもサプリにしても、マーケット無き純粋な研究のための臨床試験なんてそもそもあるのでしょうか?

要するに、始めにある物質を売ろうという目的があり、その上でその有益性を検証すると言う流れの「始めに結論ありき臨床試験」が如何に多いかと言うことです。

数年前のアメリカの話になりますが、サプリ業界に関しては、濡れ手に粟の利益を得られたプロホルモンサプリメントと言うお洒落な名前の経口ステロイド剤が規制された後の稼ぎ手を何にするかがメーカー間の一番の関心事になりました。

どの業界も同じですが業界をあげて、トレンドや流行を自ら演出していかないといけません。

結果、プロホルモンの後釜は、アルギニンで行こうという業界の指針が出来上がり、アルギニンに関する有益なエビデンスが数多く浮かび上がってきました。

昨今のアルギニンブームの勃発は半ば出来レースのようですが、アルギニンに関しては幸か不幸か、過去の評価を覆す効果をユーザーにもたらした為、結果オーライと相成りました。



このような下地があるため、EAAの台頭もまた純粋な物ではなく、生み出されたトレンド(※)かも知れません。BCAAとの比較実験がないのもその為かも知れませんね。

ちなみにアメリカでは必須アミノ酸のトリプトファンを使用できないので、市場に放たれるEAA系の製品は、トリプトファンが含まれません。この為、臨床試験においてもトリプトファン抜きのEAAが用いられ、当然ながらトリプトファンを含有するフルスペックのEAAとの比較実験もなされません。と言うことは、どちらが効果的かは誰にもわからないのです。



これらの理由から、臨床試験を手放しで盲信するのは、皮肉ると逆に科学的ではないとも言えます。つまり、問題意識を常に抱えながら、自分自身を用いて実践する姿勢こそがむしろ科学的と言えるのです。

ですので、臨床無きケースに対する疑問などに対しては、我が身を持って実験するのが一番の解決法になります。

後編の#40へ続く


※ 過去においてはMRPなど



【Ex】
生き残りを模索するサプリ業界予測
ステロイドに頼らないナチュラルな手法

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