日本のジムでは、アメリカのジムでは当たり前であったプロテインバーやシェイクはあまり売れない。300〜500円は、高いという感覚があるからだ。

この感覚は、正しい。

しかし、かつて1杯6〜7ドルもするスムージー売りのワゴンが溢れていたアメリカンフィットネス発信地帯も今やワゴンが消えた代わりに街中には、質屋がひしめき合っているそうだ。



第二部「現地サプリ業界レポ」

日本においてはスポーツサプリメントはまだまだスポーツ店の一角に並べられているだけで専門店や対面販売は極々まれである。アメリカでは、旧サプマスのような小さなサプリショップから、フィットネスショップのような本格的な物まで、店頭販売の専門店が数多に存在している。

ところが、かつて一世を風靡したその小売業者達もあえいでいるそうだ。

その理由は、
・大本営発表と異なる高い失業率による慢性的不景気
・インターネットとウォルマートにやられた
の二つが大きいそうだ。

失業率はおいといて、インターネット通販やウォルマート方式に小売業がやられてしまうのは、自然の摂理かもしれない。しかし、その状況の中で独自の手法で利益率を確保している小売業が潰れていないのも見逃せない事実だ。

そして、もしも日本の景気がこのまま安定(便宜上)するならば、家電量販店やアマゾンなどでスポーツサプリが安く手に入る時代が来るかも知れない。もしも、そのような時代が来れば、独自性のないサプリ屋は、ネットショップであれど淘汰されるしかないだろう。オモチャ屋やプラモ屋が辿った道と同じになるわけだ。

そこで、アメリカの小規模なサプリ屋で生き残った実例から学んでみよう。実は生き残れた小売業の多くは、メーカー経由のOEM生産によって、自社製品を販売していたのだ。

オリジナルの商品を持つ事で、売れない時代でも何とか利益を確保でき、また、メーカーもその受注によって売り上げをどうにか保持することができているのだそうだ。

ただし、メーカーが工場でプロダクトを作ってもらいたい場合、そのプロダクトの利益率が低いメーカーの製造は後回しにされてしまっているのだ。

これは、一体、何を意味するのか?
利益率が低いプロダクトは、代金回収の見込みが少ない(潰れる)から優遇されないのだ。



第三部「業界の売り手市場体質から買い手市場体質への変革」

アメリカのスポーツサプリメントは、これまではあらゆる意味でハードコア路線であった。製品自体もマニアック、あるいは臨床ままならぬままの見切り発車的なものまで存在し、宣伝・広告には現実離れし過ぎたプロボディビルだーを採用していた。

また、一々溶かさないといけないパウダー製品や巨大な形状のタブレットが一般的であった。しかし、ようやく彼らも「コレって違うくない?」と気付いたようだ。

あの巨大なタブレット・・・奴らも飲み難かったそうだ。つまりは、メーカーの主観とビジュアル主体で作られていたのだ。

ようやくメーカーも、ユーザーの目線に立てたようで、最近ではカプセルものが増え、その売れ行きも上々だそうだ。尚、宣伝方法も同様にソフト&健康路線に変えてきて来ている。



さて、これらを踏まえて、次回は日本のサプリ業界やサプリ小売業の今後について考えてみよう。

後編へ続く



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