前回のあらすじ】
2009年11月。
サプマス店頭販売終了のおおよそのメドが立った時、ある問題が予測された。
電車に乗らなくなるので、本を読まなくなるんじゃないか?

研修システムやカリキュラムがない一人仕事にとって、由々しき事態である。

何とかして読書場を作って、ボンクラのマスターに本を読む習慣をつけさせるのだ!

かくして、先手を打つべしと、サプマス移転数ヶ月前、極寒の季節にプロジェクトはスタートした。



【場所を決める】
本を読む場所ったってねぇ・・・。
実際、何処でどんなシチュエーションなら読むんだい、君?
自問自答する。

う〜ん。
そうさなぁ・・・。

「自分、たぶん、木の上なら読むと思います!」

そうか、木の上だったら家でも本を読むのか。
うんうん。そうだね。そうだね。

だったら、木の上で読むしかないね。

【プロトタイプを作る】
短い人生で学んだ事は、一発勝負ではなく試作機を作れば失敗しにくい。

かつて、知人の結婚式の出し物で、友人が手品のビックリBOXを作ることになり、人一人が完全に隠れることが出来るギミック(当然、中には素っ裸のマスターが入った)が仕込まれた巨大な木箱を一緒に作った事があったが、その時は実機に至るまで7機ものプロトタイプをこさえたものだ。

プロトタイプ木にアルミフレームを通す。

アルミの基礎に、アルミの板を通す。

アルミ板はしなって、心配なので上に木製の梯子を乗せてみた。

そうそう。
冬なので、コレコレ。

丁度、こないだ新しいオモチャを買ったんだった。
野戦用ガスヒーターとチャコールストーブ。

椅子にビールに色々持ってきてフレームの強度テストだ。

まず、何と言ってもマスターが重い。
アウトドア用携帯チェアは、何度もヘシャゲた。

色々、乗せてもアルミフレームと樹木は良く耐えた。
本格的に作業にかかっても良いだろう。

しかし、試作品で疲れた。
何だか、コレで十分な気がしてきた。

というか、スノコやウッドデッキの既製品で良くね?
本気で「芸能人ブログみたいな感じで、自分で作った事にしてしまえ!」と思って検索してみたが、幅1.6m×長さ4mの巨大な出来合の物はなかった。



【ギミックテスト】
ナイターテストただ作っても面白くないので、ナイター設備などどうだろう?

夜に本を読んだり、流星群を観測したり、一人酒を飲んだり、夫婦喧嘩をしては逃げてきたり、きっと大活躍だ。

点灯〜。
うん。本を読むには十分明るく、野外用ストーブも暖かい。



【実機を作る】
行程チラシの裏に筆ペンで書いた設計図を持って、ホームセンターのアドバイザーに相談。フレーム用にツーバイフォーの杉、4m×4本。デッキ部分にツーバイフォーの杉、1.6×30本。

軽トラを借りて来て運び入れる。
(色んな場面で、力持ちが役に立つ)

フレームを仮組。
一旦、平地へ引き戻して、組み立て開始。

さて、コレを作ったのは、12月。
つまり、山から神戸のサプマスへ通っている時。

毎朝、早起きし、防寒装備で毎日少しずつ、少しずつ組んでから出勤したのだ。

休みの日は、寒波と夕日に悪態つきながら辛抱強く組み立て完了(夕日が憎い!)。

しかる後、サンドペーパーをかける。
そして、杉とは言えどいずれは腐るので防腐処理のステインを塗り塗り。



【80%完成】
80%ステインを2度塗り。
ブランコなぞ、こさえて春を待つ。

春になったら、チェリーが開花。
花見をしながら、ミツバチを待つ。

心配をよそに、花粉で後肢をモッチャリと重くした蜂が羽音五月蠅く集まった。

ミツバチを待つ理由は、チェリーは他の種類の花粉でないと受粉しないから。

そして、もうひとつの理由。
それは特注のミツバチの巣箱を読書場の下部に設営したから。入ってくんねーかな〜って。

後は、転落防止用のロープを張ったら、ほぼ完成。

で、君、本の消化は進んだのかい?
いえ、先生、今は農地を切り開かんとイカンけん、それが終わったら利用します。

ちゃん、ちゃん。

#4 近未来のサプリ業界予測-前編へ続く



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