第一部「ホームバーという名の居場所」

電車通勤をしていると、ちょっと遅めの時間帯に良く見かけるのは、家まで待てずに(?)駅のホームや車内で独り晩酌を始めてしまうお父ちゃん達だ。

どんな酒でも必ずそれぞれの専用グラスを使用するマスターは、
「ホームバーで飲めばいいのに」
と評したものである。

この表現は、嫌みでも「ホームバー」という直接的物質を指すものでもない。

要は、自分が最も落ち着く場所を自宅に構築できなかったが故に、家に帰り着いても癒しの空間がなく、帰宅前に呑むのが最も幸せで、かつ、その状況に甘んじているのだなと言うプロファイリングを基にした助言に近い。

第二部「スキマスイッチ」

活字離れが進んでいると聞くが、本を読む絶好のシチュエーションである電車内を見渡してみると、確かに本を読んでいる人は少ない。女性10%未満、男性20%程度といった感じか?

人が本を読む理由は様々なので、本を読んでいない人の理由を前向きに考えてみよう。


・ゴキブリやサメと同様、進化&進歩しきった完全体なので、アップデートの必要無し

・その時その時、現場での即応能力や創造性、学習能力が高い

・どんな不況になっても、絶対にリストラされない位能力が高い

・ドルやアメリカが崩壊しても、絶対に潰れない会社に勤めている、あるいはその持ち主

・会社で一騎当千の働きをしているので、電車での移動は冷却の時間なのだ

・ipodや携帯で動画を見ているのは、MBA取得や語学のソフトウェアだ

・ipodや携帯で音楽を聴いている様でいて、実はオーディオブックで勉強中

・携帯メールの様でいて、投資やヤフオクで稼いでいる

・左手うちわで儲かるサイトを右手の携帯で更新している最中です


・・・なるほどなるほど。
そりゃ、本なんて読む必要ないやね?

じゃあ、マスターはどうよ?って言われれば、移動中の時間は本を読むのに充てていた。マスターの辞書に無い言葉のひとつに「時間を潰す」があるからだ。家で中々本を読まないし、スキマの時間に少しでもプラスになるような事をしないと勿体ないと思ったわけ。

電車通勤でJRを利用する場合、明石駅から大阪駅へ向かうとすると、早い順に「新快速」、「快速」、「普通」という3通りもの選択ができる。この順はスピードだけでなく混んでいる順とも言える。

観察するまでもなく、当然のように「新快速」を選択する人が多い。
それは、早く大阪に着くからだ。

つまり、わざわざ混んでいる新快速を選ぶ理由は、「時間の節約」=「時間を大切にする」ためと言うのは明白である。なので、その時短の為の行為の真っ最中に携帯などで「時間を潰す」のは矛盾しているよね?と言う理屈なのだ。



第三部「強いられないと読まないんですが」

さて、この度、自宅警備員となり(嘘)、電車通勤を卒業したのだが、そこでひとつ大きな問題に直面した。

「強制的に本を読む機会がない」

家で本を読もうにも仕事中は別人だし読む間ないし、寝る前に読んだら最近は5分どころか3分で寝てしまうし、午前中に読むしかないなぁ〜。

でも、書斎なんて立派なモンはないし、家の中で集中して読める場所なんてないなぁ。
そうか!なけりゃないで作ればいいんだーてなノリで作っちゃった。

1話完結のつもりが思いの外長くなったので後編へ。

#3の後編へ続く



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