腸内細菌叢は、あたかも神の見えざる手によって決定されたかのような生態系のような絶妙さでバランスされている。個体毎に違うそのバランスは、我々の口の中の細菌のバランス同様に乳幼児期に決まってしまうのだろう。

シンバイオティクスやシンバイオティクス様物質、あるいは兆単位のプロバイオティクスの摂取によって、一過的に腸内有用細菌が優勢を保つ事で、何らかの有益な身体的体感が得られるかも知れない。

ただし、既に決定付けられた腸内細菌叢のバランスは、それらの摂取をやめてしまうと、元来のバランスに戻ってしまうだろう。
しかし、だからと言って諦めて何も手を打たないと言う方針は、実践栄養学や実践フィットネスライフと方向性が異なる。

ジャブだ!

腸内環境に問題がある人にも有効な手段。
それが日々の積極的栄養選択による絶え間ないジャブの応酬である。

この手法は、老化を遅延させる手段のひとつ「実践的抗酸化」と似ている。抗酸化物質を闇雲に大量に摂取する「抗酸化物質飲め飲め詐欺」ではなく、容量は少なくとも種々の関連協同性を意識して、続けられる「リアルな範疇」で日々抵抗する手法だ。

つまり、当るか当らないかわかない上にリスクとコストの高い右ストレートを振り回すのではなく、威力は小さくとも毎日コツコツ確実にヒットさせるジャブの応酬こそが、ロングタームで俯瞰した時に最も無駄な老化を抑制し、身体機能のみならず脳機能を高く保っている事だろう(あるいは向上しているかも?)。

有益菌が奪った領土は、油断するとすぐに悪玉細菌に乗っ取られてしまうが、毎日の不断の努力よって擬似的にではあるが理想的な腸内細菌叢バランスの人になれるだろう。

実は、あなたは既に毎日、ジャブを放って運命に抵抗しているのだ。
それは、毎日の歯磨きである。

歯磨きをすれば、一時的ではあるが虫歯のリスクを減らすことが可能になる。しかし、歯磨きを怠れば、悪玉ミュータンス菌をのさばらせることになるだろう。生涯にわたって、悪玉菌を絶滅させることはできないが、日々抵抗することでそのマイナスを回避できるかも知れない。

腸内細菌叢を長期的に理想的な状態に保つには、細菌叢バランスを改善するのに有効な手法・手段を選択すると共にそれらの応酬とも言える日々の継続が肝要となるだろう。

番外編-5へ続く



【関連】
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シンバイオティクスって何だ? 番外編-1
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