「9月の最終戦までの2ヶ月間で、できるだけフィジカルレベルを高めたい」と言う今回の課題の裏には、筋量によるパワーと体重の増加に成功した際にはモーメントの修正が必要になると言う問題を孕む。

その解決策の前に、今季のもう一つの課題。

それは、試技中のスタミナ対策である。陸上トラックにおける跳躍系種目のエネルギー源のほとんどは、体内に蓄積されたATPとクレアチンリン酸である。

瞬発力系の種目は、全力で試技を行う為に、試技毎にATPを大量に消費し、また筋肉も微細な損傷を受けるだろう。よって、後半になればなるほど大きく強い力を発揮する事は困難になり、記録を伸ばすのが難しい。
「高負荷環境下でのスタミナ対策-実践栄養学的アプローチ編」
クレボ
ATP貯蔵量自体を直接的かつ劇的に増やす事は困難なので、オンシーズンのオプショナルサプリとして、実質的にATP貯蔵量を増やす事が可能になるクレアボルを採用してもらっている。

クレアボルは、通常のクレアチン製品と異なり、クレアチンリン酸の蓄積量及びその再合成スピードを高めるので、試技中において実質的に使用可能なATPを増やす事に相当するからだ。

また、今回から試験的にATPの生産を増やす「アダプト」を採用しているのもポイントである。電気エネルギー同様に備蓄するのが難しいATPの貯蔵量が少しでも増えるならば、瞬発力系やハイハートレイト系のパフォーマンスアップにつながるからだ。



「高負荷環境下でのスタミナ対策-物理的アプローチ編」
後半の試技になればなるほど、筋力的なパフォーマンスは低下しがちである。栄養摂取よって燃料そのものや燃料の前駆物質を増やす事、同時にトレーニングによって、高負荷環境下でのスタミナを増やそうとするのが、一般的なアプローチのベクトルであろう。

しかし、全く逆方向からの発想によるアプローチもあるのだ。
それが、「第一試技でベストを叩き出す!」と言う様子見なしの「一の太刀戦略」である。

理想論に近いかも知れないが、極端にエネルギーに限りがある競技では第一試技から全力が出せてベストを出し切れるような戦術を練習をしておくのも長期的な戦略のひとつだろう。


瞬発力系の試合時のパフォーマンス低減防止対策は、上記のような感じになるが、長くなったので、「増加パワーと質量に対するフォームの修正に対する実践栄養学的アプローチ」は次回へ。

応用編へ続く



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