(全文公開)
某月某日、深夜・・・。
花澤大介13選手から、メールが入る。
「すいません。扁桃腺が腫れて、熱が38度以上あって・・・」
しぶしぶメールを返す。
「そんなの関係ないから、プロなんだから原稿明日の朝までね!」
某月某日、深夜・・・。
花澤大介13選手から、メールが入る。
「すいません。扁桃腺が腫れて、熱が38度以上あって・・・」
しぶしぶメールを返す。
「そんなの関係ないから、プロなんだから原稿明日の朝までね!」
そんな感じで、今月のアスリートコラムは、去る2月1日にパンクラス・ライト級のタイトルマッチに挑んだ花澤13選手です。
今回は、アスリートなら誰でも経験するであろう、100の努力後の敗北時の心境を包み隠さず語ってくれています。
そして、その後に待っているものは!?
総合格闘技はフィジカル勝負の時代に #18
〜タイトルマッチを終えて編〜
サプリマスターユーザーの皆さん。
こんにちは。皆さんはいかがお過ごしですか?
僕は前回のコラムでお伝えしていましたが、去る2月1日に東京のディファ有明でパンクラスのライト級のタイトルマッチに挑みました。
結果は…斉藤マスターが執筆しているサプリ塾でも紹介されていましたので、ほとんどの方がご存知だと思いますが、3Rの判定負けでした。。。
今回のコラムでは試合中と試合直後の感情や感想を語らせて頂こうと思います。
まずは入場から、特に意識をしていた訳ではありませんが自分の入場曲が流れ始めた時にデビューして間もない頃の記憶が甦ってきました。
僕の場合はデビューしてから3試合は負け、その後の2試合はドローと本当にプロで初勝利を挙げるのに苦労しました。このまま勝てずに終わるのかな〜・・・とも思っていました。
その頃の事を思い出し「まさかその俺がタイトルマッチに挑むとはな〜」という感じで感極まって涙が溢れて、それを必死堪えてリングインしました。
そして試合前、今回はタイトルマッチという事で試合前にベルトの返還と国歌の斉唱がありました。
僕にとってはどちらも初めての経験でした。緊張して体が硬くなる事を避ける為と、序盤から高いテンションで動けるようにと、試合前から国歌斉唱の間は動き続けていようと決めていました。
レフリーに中央に呼ばれ井上選手と対峙して手を合わせ、試合開始のゴングを待ちます。
自分自身ではしっかりと集中して落ち着けていると思いました。
ですが…試合結果(詳しい内容はサプリ塾のレビューをご参照ください)は1Rは自分のペースでポイントを奪ったものの、2Rの中盤で急に足の力が抜けたような感じで失速していき、2Rと3Rのラウンド間のインターバルでも回復せずに結果、辛うじてトドメを刺されずに済んだという内容の判定負けでした。
試合中、わざわざ大阪から応援に来てくれたゴブラ会の道場生の声援は本当によく聞こえていました。
いつもサーキットの際にゲキを飛ばしてくれる起一(同じ日に試合をしたストラッサー起一)の声も聞こえました。そして三原くんの「お父さんも観に来てるで」という声も聞こえました。もちろんセコンドの声も聞こえました。
自分自身も「こんな試合をする為に今まで生きてきたんじゃない」と思い続けていました。
それでも体は動いてくれませんでした・・・。
今回は特にスタミナトレーニングに力を入れ〜心肺機能・筋持久力・気持ちの全てにおいて過去最高に追い込んだつもりでした。
僕自身もセコンドの山本先生(コブラ会のボクシングコーチ)、 手塚くん(コブラ会のプロ選手でよく一緒に行動してる)もスタミナを切らす事は絶対に無いやろうと考えていました。
にも関わらず…スタミナを切らしたという事で試合直後のリング上では「もう引退しよう…」と考えました。
本当にサポートしてくれた全ての人に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。自分の気持ちの弱さが本当に情けなく強烈な自己嫌悪を感じました。見栄えだけする肉体がひどく恥ずかしく思えました。
リングを降りる際に青コーナー(僕らの側)付近のリングサイドで応援してくれていた斉藤マスターが視界の隅に入ってきましたが…会釈する事も顔を向ける事も出来ませんでした。
試合後にはコブラ会のメンバー、マネージャー、ルネサンス(僕が昔働いていたフィットネスクラブ)の会員さん、友人たち、そして母親…etcと顔を合わせるのが本当に辛かったです。
誰とも目を合わせる事が出来ませんでした。
今すぐここから消えて無くなりたい気持ちでいっぱいでした。
ちょっとした欝状態だったと思います。
控え室に戻り荷物を片付けている時にマネージャーが来て「テレビや媒体の人間がコメントが欲しいって言ってけるどどうする?ノーコメントにしとくか?」と言われました。
誰とも顔を合わせたくなかったし、何も話したくもなかったのですが…何故か義務感を感じたのでインタビューを受けました。
インタビューの際に「今後はどうしますか?」と聞かれた時に「格闘技は好きなんで競技は続けていきます。ただ今まで格闘技を最優先にした生活を送ってきましたが、今後はそれを見直す必要があるかも…と思っています」という感じの返答をしていました。
別に何かを意識した訳ではなく自然と口に出た答えでした。
インタビューで質疑応答した事により、ほんの少しだけですが自分の考えが整理出来たような気がしました。
ただ間違いなく感じたのは「何かが終わったんやな〜」という強い喪失感です。
試合直後にお世話になったり、応援してくれた方々に試合結果をメールで送りました。
よくそんな事が言えるな〜人の気持ちを踏みにじりやがってと言われそうですが…「また頑張ってください!」「もう一度はい上がってください!」「諦めない限り可能性はありますよ!」…etcの返信メールの励ましの言葉が本当に辛いと感じました。
あと19日(2月の1日が試合で、20日が僕の誕生日)で33才になる自分には、試合前もこれが最後やからと思って追い込み続けてきた自分には、酒はもちろんジャンクフードも揚げ物も食べずに調整してきた自分には、全ての娯楽を排除して格闘技に取り組み続けてきた自分には全てが重くのしかかって来るようで「俺は充分頑張ったやろ〜、もう頑張る気力なんかどこにも残ってないわ〜…」という気持ちでした。
時間が経って、今はだいぶ考え方は変わりました。
年齢的な衰えは感じていませんし、競技を続けていく上で致命的になる怪我もありません。
ま〜特に引退する理由も無いので、まだまだ競技は続けて行こうと思っています。
ただ、結果が出なかった以上は今までと同じような内容での取り組みはするつもりはありませんし、何よりも気持ちが付いてこないです。
そうした事から、ここから数ヶ月は総合格闘技にはあまり活きない、もしくは試合で勝てなくなる可能性が有るかも?という練習メニューをこなしていくつもりです。
ただ、少なくとも自分にとっては未知の練習内容なんで、もしかすると今までにないくらいの向上があるかもしれません。
ある意味で「伸るか反るか」って感じの試みです。
その内容については次回のコラムで試合の映像を観ての感想(試合直後の感想と違いがあった部分が多々ありました)と今後の取り組みについて、という感じで紹介させて頂こうと思います。
今回はなかなか人生は上手くいかないなぁ〜って感じでブルーになる内容だったと思いますが…次回作はもう少し明るく前向きなコラムになればと思っています。
それでは皆さん〜今回はこの辺で〜ご機嫌よう〜さようなら〜(^0^)/
今回は、アスリートなら誰でも経験するであろう、100の努力後の敗北時の心境を包み隠さず語ってくれています。
そして、その後に待っているものは!?
総合格闘技はフィジカル勝負の時代に #18
〜タイトルマッチを終えて編〜
サプリマスターユーザーの皆さん。
こんにちは。皆さんはいかがお過ごしですか?
僕は前回のコラムでお伝えしていましたが、去る2月1日に東京のディファ有明でパンクラスのライト級のタイトルマッチに挑みました。
結果は…斉藤マスターが執筆しているサプリ塾でも紹介されていましたので、ほとんどの方がご存知だと思いますが、3Rの判定負けでした。。。
今回のコラムでは試合中と試合直後の感情や感想を語らせて頂こうと思います。
まずは入場から、特に意識をしていた訳ではありませんが自分の入場曲が流れ始めた時にデビューして間もない頃の記憶が甦ってきました。
僕の場合はデビューしてから3試合は負け、その後の2試合はドローと本当にプロで初勝利を挙げるのに苦労しました。このまま勝てずに終わるのかな〜・・・とも思っていました。
その頃の事を思い出し「まさかその俺がタイトルマッチに挑むとはな〜」という感じで感極まって涙が溢れて、それを必死堪えてリングインしました。
そして試合前、今回はタイトルマッチという事で試合前にベルトの返還と国歌の斉唱がありました。
僕にとってはどちらも初めての経験でした。緊張して体が硬くなる事を避ける為と、序盤から高いテンションで動けるようにと、試合前から国歌斉唱の間は動き続けていようと決めていました。
レフリーに中央に呼ばれ井上選手と対峙して手を合わせ、試合開始のゴングを待ちます。
自分自身ではしっかりと集中して落ち着けていると思いました。
ですが…試合結果(詳しい内容はサプリ塾のレビューをご参照ください)は1Rは自分のペースでポイントを奪ったものの、2Rの中盤で急に足の力が抜けたような感じで失速していき、2Rと3Rのラウンド間のインターバルでも回復せずに結果、辛うじてトドメを刺されずに済んだという内容の判定負けでした。
試合中、わざわざ大阪から応援に来てくれたゴブラ会の道場生の声援は本当によく聞こえていました。
いつもサーキットの際にゲキを飛ばしてくれる起一(同じ日に試合をしたストラッサー起一)の声も聞こえました。そして三原くんの「お父さんも観に来てるで」という声も聞こえました。もちろんセコンドの声も聞こえました。
自分自身も「こんな試合をする為に今まで生きてきたんじゃない」と思い続けていました。
それでも体は動いてくれませんでした・・・。
今回は特にスタミナトレーニングに力を入れ〜心肺機能・筋持久力・気持ちの全てにおいて過去最高に追い込んだつもりでした。
僕自身もセコンドの山本先生(コブラ会のボクシングコーチ)、 手塚くん(コブラ会のプロ選手でよく一緒に行動してる)もスタミナを切らす事は絶対に無いやろうと考えていました。
にも関わらず…スタミナを切らしたという事で試合直後のリング上では「もう引退しよう…」と考えました。
本当にサポートしてくれた全ての人に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。自分の気持ちの弱さが本当に情けなく強烈な自己嫌悪を感じました。見栄えだけする肉体がひどく恥ずかしく思えました。
リングを降りる際に青コーナー(僕らの側)付近のリングサイドで応援してくれていた斉藤マスターが視界の隅に入ってきましたが…会釈する事も顔を向ける事も出来ませんでした。
試合後にはコブラ会のメンバー、マネージャー、ルネサンス(僕が昔働いていたフィットネスクラブ)の会員さん、友人たち、そして母親…etcと顔を合わせるのが本当に辛かったです。
誰とも目を合わせる事が出来ませんでした。
今すぐここから消えて無くなりたい気持ちでいっぱいでした。
ちょっとした欝状態だったと思います。
控え室に戻り荷物を片付けている時にマネージャーが来て「テレビや媒体の人間がコメントが欲しいって言ってけるどどうする?ノーコメントにしとくか?」と言われました。
誰とも顔を合わせたくなかったし、何も話したくもなかったのですが…何故か義務感を感じたのでインタビューを受けました。
インタビューの際に「今後はどうしますか?」と聞かれた時に「格闘技は好きなんで競技は続けていきます。ただ今まで格闘技を最優先にした生活を送ってきましたが、今後はそれを見直す必要があるかも…と思っています」という感じの返答をしていました。
別に何かを意識した訳ではなく自然と口に出た答えでした。
インタビューで質疑応答した事により、ほんの少しだけですが自分の考えが整理出来たような気がしました。
ただ間違いなく感じたのは「何かが終わったんやな〜」という強い喪失感です。
試合直後にお世話になったり、応援してくれた方々に試合結果をメールで送りました。
よくそんな事が言えるな〜人の気持ちを踏みにじりやがってと言われそうですが…「また頑張ってください!」「もう一度はい上がってください!」「諦めない限り可能性はありますよ!」…etcの返信メールの励ましの言葉が本当に辛いと感じました。
あと19日(2月の1日が試合で、20日が僕の誕生日)で33才になる自分には、試合前もこれが最後やからと思って追い込み続けてきた自分には、酒はもちろんジャンクフードも揚げ物も食べずに調整してきた自分には、全ての娯楽を排除して格闘技に取り組み続けてきた自分には全てが重くのしかかって来るようで「俺は充分頑張ったやろ〜、もう頑張る気力なんかどこにも残ってないわ〜…」という気持ちでした。
時間が経って、今はだいぶ考え方は変わりました。
年齢的な衰えは感じていませんし、競技を続けていく上で致命的になる怪我もありません。
ま〜特に引退する理由も無いので、まだまだ競技は続けて行こうと思っています。
ただ、結果が出なかった以上は今までと同じような内容での取り組みはするつもりはありませんし、何よりも気持ちが付いてこないです。
そうした事から、ここから数ヶ月は総合格闘技にはあまり活きない、もしくは試合で勝てなくなる可能性が有るかも?という練習メニューをこなしていくつもりです。
ただ、少なくとも自分にとっては未知の練習内容なんで、もしかすると今までにないくらいの向上があるかもしれません。
ある意味で「伸るか反るか」って感じの試みです。
その内容については次回のコラムで試合の映像を観ての感想(試合直後の感想と違いがあった部分が多々ありました)と今後の取り組みについて、という感じで紹介させて頂こうと思います。
今回はなかなか人生は上手くいかないなぁ〜って感じでブルーになる内容だったと思いますが…次回作はもう少し明るく前向きなコラムになればと思っています。
それでは皆さん〜今回はこの辺で〜ご機嫌よう〜さようなら〜(^0^)/