大学時代の古典物理の教授の口癖は、
「一般道は時速70km、高速道路は時速120kmのためのバンクを付けて設計されているのに、制限速度がそれからかけ離れているのは、逆に危ない!」
であった。

高速道路やバイパスのみならず、一般道でも良く目を凝らしてみると、道路は水平ではなく、要所要所で斜めに傾いている。

その傾き加減が、一般道なら時速70km、高速なら時速120kmで走った時に、車体が最も安定し、安全に曲がれるように設計されているのである。逆にコレよりも、遅い速度で、曲がるとなるとより深く無駄にハンドルを切る必要が出てきて、実は車が安定せずに返って危ないのだ。

自動車の制限速度の問題はさて置き、ロードバイクを含めた自転車は、この自動車の為に付けられたバンクの影響を大きく受ける。

微妙な角度のバンクに気付けば、加速なり等速運動維持に利用できるが、バンクの見極めが甘いと途端に失速してしまう。

さて、この様に、道路のバンクから僅かな段差、旋回性能の限界、制動性の低さ、変速の煩雑さ、タイヤの脆さ等々、ロードバイクを失速させる要因は、枚挙に暇がない。



さて、このアダモステを誰がペイするのか?
いや、この失速によるロスを一体誰がペイするのか?

失速という条件では、自動車やバイクも同じ事であるが、そこは、オートモービル。アクセルを少々開ければ、途端に加速が得られ、搭乗者は苦も無く、ロスを取り戻す事ができる。つまり、ひいては、ロスに対して鈍感になりかねなくもない

しかし、自転車の場合は、ロスをその本人自身が身を持って穴埋めする事になるのだ。燃料であるATPを激しく無駄に消費し、心拍数は無駄に激しく高まる。これがもし、通勤時ならば、仕事の前に体力を無駄に消費したり、仕事前から無駄に汗をかきたくないはずである。

つまり、ミスやロスが自分自身にダイレクトに返ってくるので、結果的にロスに敏感になるのである。ひいては、その無駄を無くす事に奔走すると言う事が、「気付く能力」と「先読み」を養い、より主体性のある走りや動きへとつながるのだ。

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