UC 4月某日、久しぶりに会った友人が飲み屋で嘆きました。

「会社の部下がSF大会の副会長を務めることになったと言って、会社を辞めちまったよ〜」
 何でも今年の日本SF大会は、アジア初の世界SF大会との併催で大規模だったそうです。

 そう言えば、凄い時代になったもので、「亡国のイージス」等の作者である福井晴敏氏が「俺がやらねば誰がやる?」と言わんばかりの勢いで、機動戦士ガンダムの小説を連載中です。その名も「機動戦士ガンダムUC」。挿絵は、初代ガンダムの安彦良和氏、メカデザインはカトキハジメ氏と豪華な陣容です。

 逆襲のシャアから3年後が舞台(※)なので、ある程度ガンダムを知っている人には読みやく、ライトオタなら読み進めるとある事にハタと気が付きます。そもそも「ガンダム」と言うのは、男のロマンであってSFではありません。ところが、この作品に多聞に流れる「SFチックな雰囲気」は筆者が影響を受けたであろう富野監督のアノ作品に良く似ているのです。
え、F91 !? レイ・ブラッドベリを少々かじったくらいの僕が言うのもなんですが、ガンダム作品の中でもSFテイストが効いているのが、富野監督の著書「機動戦士ガンダムF91(※2)」です。

 「F91」の小説版には、人類が宇宙進出してから100年以上経った宇宙に住む人々の生活が描かれています。「完全人工の宇宙都市で、何故、新聞配達や牛乳配達があるのか?」「コロニー公社が如何にして仕事がなくならないようにしているか?」、「連邦の票田と化してしまった連邦軍」など現代社会の問題を未来に置き換えた皮肉が入っていて面白いです。

 そんなワケで「話題のガンダムUCもいいけど、古典のひとつF91も良いですよ」と言う話です。たまにサプリ塾ではガンダムネタが出てきたりしますが、もちろん、その知識は農林水産省の方々の足元にも及びません。

 また、僕自身は「人類は宇宙に行けない。当然、スペースコロニーも作れないし、月面都市も作れない。未来の人類は、目の前の問題で手一杯」と考えています。


※ 逆襲のシャア以降のジオンがどうなったか気になる人にも良いです

※2 F91を読み返すと、昔は自分の視点がシーブック視点だったのに対し、今はレイズリーやシオの視点になっていたりと


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