花火 中学生の塾生時代からお世話になっていた塾の塾長夫妻がご引退された。

 ご隠居祝いに何がいいだろうか?
 旅券というのも何とも味気ない。自分らしくない。

 塾生同窓会を兼ねて、教え子達を一堂に招いて「ご隠居祝い」というのも良いが、それは自分より若い世代(すなわち自分自身の教え子達)に期待したい。

 あれこれ、思案すること数ヶ月。個人的にもご無沙汰となった頃に目に飛び込んだのは…。
みなとこうべ海上花火大会のスポンサーになれば、指定席がもらえる』
 
 そんな訳で、塾長夫妻と自分、そして双方の最大公約数的な生徒達(手のかかった生徒?お気に入り?)を神戸に招いた。
 花火前に一路、味香園へ。
 味香園は、「安くてうまい」という二律背反的課題をクリアする数少ない中華料理屋である。料理はたぎるくらい熱くて個性的で、やや塩みがきつい、注文していた「牡蠣のお好み」を忘れられていた等々は問題にならない。

 遅れて合流する生徒を仏壇の浜屋まで迎えに。
 人込みが増す中、4年ぶりであるが、難なく発見。自分のお気に入りを見紛うはずはないが・・・。

「実家から、大学通ってんのか?」
「何言ってるんよ、先生!私、何歳になったと思っとん?会社勤めやで!」
「あー・・・」
「相変わらず、興味なさそー!」


 久々に交わす「いつものお決まりのやり取り」もつかの間、ココからが地獄の脱出航路。芋洗いの中、右往左往しながら、第一突堤を目指すも遠い。はっきり言えば、花火会場は三宮よりである。

 苦労の甲斐あって、海面から打ち上げられた間近で観る花火は、ズームにしなくても写真の通り。視覚、聴覚はおろか触覚も刺激する。
 
 塾という場所があった時は、予告なしで訪れても必ず、塾長か夫人先生がいたものだが、今は元生徒達が気軽に寄れる港がなくなってしまった。

 今回、花火にかこつけて集まる事で塾長達と生徒が再び相互に連絡しやすくなったのではと、八面六臂とまでは行かないが、単なる慰労会ではない様々な意味合いのある催しを実現できた。
 
 そして、それをサラリとできるようになった自分を見てもらうのも、恩返しのひとつではないかとキレイにまとめてみたり。

【マスター】
 上記は、一見、エエ話にみえますが、呼び寄せた元生徒達は皆、24歳以下の女の子オンリーだったり、帰りの電車の4人座席が丸々空いたので、
「じゃあ、俺はギャル3人とウホホーイ!!塾長らアッチね!」
「先生、結婚しても子供できても、全然変わらへんなぁ〜・・・」

プログラム←ウォーリーを探せではないけど、一番下の右の方にサプマスの名が。