トレーナー向けの腰痛対策研修などでたまに挙げられる注意点として、
「自分で腰が痛いと思い込んでいる人の中には、肝臓やその他の臓器が腫れて背中を圧迫しいる腰痛ではない人もいるので注意が必要」
 なんてのがあります。

「腰痛改善コースにいつも来ていたアノ人が急に来なくなったと思ったら、実は肝臓癌だった!」とか・・・。

 え?
 初耳だった?
 だったら、覚えといて損はないです。

 で、一週間ほど前、当店に変わった人が入って来ました。
「背中が痛くて、夜、寝れないのですが、僕はどっかわるいのでしょうか?」
「ちょっと背中、診てもらっていいですか?」

 いやいや。
 店内で脱がれても困るし!
 困ったお変わりさんだな(←お前が言うな)。
 剣の達人の話ではないですが、初見の1分で「買うか?買わないか?」「今後縁があるか?ないか?」と言うのは接客業を10年ほどやっていれば誰でもわかります。
 
 その人とは、今後一切関わる事もないだろうとわかっていたのですが、症状を聞くのも勉強になると思って話を聞いてみると、
「1ヶ月以上、背中が痛く眠れないので、外科に行って痛み止めを飲んでいる。痛み止めが効いている間は眠れる」
 って、ダメじゃん!

 この様な場合、後々、ややこしくなるので本来関わるべきではないのですが、
「僕は医者じゃないのでアドバイスしちゃいけないし、わかりませんって言った方が楽なんですが、僕のおせっかいな親切心だと思って聞いてください。そりゃ外科じゃなくて内科で精密検査ですよ!顔も手もパンパン膨らんで真っ赤だし、鏡見て自分でヤバイって思わないんですか?僕だったら、真っ先に肝臓か心臓、あるいは腎臓を疑いますけど!」
 とあえて、アドバイスしました。

 その人は、まさか?そんなアホな?みたいな感じでした。
(と、ここで、本当のお客さんがご来店)
「僕だったら、こんな所をウロウロしてないで、今から一番大きな病院行きますよ!ダッシュです!」
 と促したら、どうやら気が変わったらしく、その足で病院に向かったようです。

 こんな感じで、世の中には自分の身体の反応に留意せず、安易な対応しかしない人が結構いるモノです。愛車のメンテナンスをするが如し、身体のメンテも「自分に長く乗り続けるなら」覚えるべきです。精神面のメンテよりは、遥かに簡単ですからね。

 つづき(後編へ)